母が亡くなり、父親と、母親代わりのウンジュと暮らしているスミとスヨンの姉妹。仲の良いふたりが暮らす家の中で、奇妙な現象が起きはじめ…。美しく哀しい悲劇が家族を襲う。韓国ホラー映画『箪笥』の小説版。
★=0.5
吉村達也による、韓国映画『箪笥』のノベライズ。
映画ではわかりにくかった点を再構築し、解説も加えている。しかし、小説としての出来はいまひとつ。ノベライズというより、映画脚本のような感じで小説としての面白みは薄い。この作者なら、もっと巧く書けると思うのだが…映画関係者とのしがらみの結果だろうか。

映画を見てから小説を読むと、わからなかった点は全て説明してもらえるが、その結果として、ストーリーの不出来さが目立つ結果になる。
小説を読んでから映画を見ると、映像化の味を楽しむことが出来るが、ストーリーは既知のため、目新しい面白さは無い。
どちらにしても小説を読まず、映画版の「詳細はよくわからないけど、少し怖くて切ない映画だったなぁ」という感想で留めておいた方が吉か。
唐突だが、Gディフェンサーは量産MSであるネモでの使用も考慮して開発されたらしい。ネモだけじゃなく、百式やリック・ディアスでの運用も考慮していたというのだから、恐れ入る。そもそも、Gディフェンサーは装甲で劣る非変形MSであるところのMK−?の強化を目的としたようだが、エゥーゴの非変形MSに対する機動力&攻撃力のブーストも視野に入れていたようだ。どうやらこのプランは没になったようだが……
パイロットの養成やコストを考えれば、高機動のMSを作った方が早い、ということだろうか。事実、アナハイム製の機体では後年、リック・ディアス→シュツルム・ディアス、百式→百式改と高機動化が図られている。もちろん、変形MSが主流になっていった経緯も関係するだろう。
しかし、ハイチューンされたネモに量産型Gディフェンサーを装備した、遊撃MS隊なんてのは、結構イケる設定では無いだろうか。カラーリングも独自のものに変更して。特務艦1隻からなる独立部隊なのはお約束。
その存在が許されるなら、その機体はスーパー・ネモなんて通称ではなく、ネモ・ディフェンサーと呼びたい。

DVD『箪笥』

2005年7月19日 映画
ソウル郊外の一軒家に、スミとスヨンという美しい姉妹が長期入院を終えて帰宅。しかし、継母は笑顔で迎えるが、姉スミは彼女を毛嫌いし、スヨンは怯えていた。その夜、実母の悪夢を見たことを発端に、その家で怪奇現象が次々と起こる…。
★=1.0
韓国ホラー。実際はホラー風味のミステリといった感じ。
???と思いながらも、一応自分なりに考えて納得してから、情報収集。韓国の古典的怪談をモチーフにしているらしい。小説版(吉村達也『姉妹−Two Sisters』角川ホラー文庫)は古典会談も盛り込んで再構成したものらしい。こっちの方がわかりやすいんだろうなぁ。

この手のネタとしてはありがちだが、映像の美しさ切なさと相まって、作品自体が一段高い所へ落ち着いた感じがする。
ジャンル分けに拘るのはは不毛だが、切ない系ミステリ(ホラー風味)ぐらいでどうだろうか。切ない系=ミステリ>ホラーなので、ホラーが苦手な方も毛嫌いせずにどうぞ。
思い起こせば1年前、自社イベントデーの一環として、
ステージでパペットマペットをパクって一人芸をしたなぁ……
月日は巡って、今日が今年のイベントデーですよ。
今年は観客(子供)参加型イベントの司会なんで、昨年よりはずっと気が楽。
しかし、周囲の「今年はパペマペやらないの?」「リベンジだよね、リベンジ」といった声がなんと多いことか。やりませんって。
あんなシュールなネタでは、子供連れにウケないことを実感済みなんで。
それでも、「今年は、あるある探検隊?」「アンガールズは止めといた方が良いと思うよ」「いまイチオシはオリエンタルラジオでしょう」などなど、アドバイスしてくれる人がいるのはなぜだろう。
私、芸人キャラじゃなかったはずなんですが……
やりませんて。相方探さなきゃならないじゃないですか。
(あるあるとか、サラリーマンの忘年会でやってそうだよなぁ。全編内輪ネタで。)
朝7時過ぎに出発して某学会。
結構興味深い内容もあり、それなりに充実した一日。
特筆すべきは本日の書籍購入費。15000オーバー。
昨年秋の学会に出ていなかったので、各研究会の会誌等に買い逃しがあったからだが……きちんと読んで減価償却しないとなぁ。

もうひとつ実感したのはPowerpointの有用性。
実にイマサラ感が強いが、ほとんど使ったことなかったので。
使ったときも写真スライド的な使い方だったし。
プレゼン的なテキスト・アニメーションは、正直、鬱陶しいと思っていた。
しかし、使い方次第で発表が楽になることを実感。イマサラだなぁ。
秋の学会で発表することになってるし、ちょっと勉強してみますかね。

宿探しfailed.

2005年7月16日 日常
某講演会を聞きに行こうと、県庁所在地な市へと出かける。
明日は同じ開場で某学会が開かれるので、宿をとって前泊とする予定。
ところが!市を挙げての夏祭り?のため、ビジネスホテルは満室御礼。
それならと、数件の行き慣れない高級?ホテルに問い合わせたものの、こちらも全滅。
仕方ないので、帰ってきました。
明日の早朝発でまた行きます。2時間程かかるんだよなぁ……

講演会はなかなかの内容。
ついでに夏期特別展のエジプト展を見て帰る。
前売り券買ってたのに、どこに仕舞ったかわからなくなっている罠。
当日券で入りましたとも。前売り1000、当日1200。
前売りで200お徳のはずが、1000の損。なにやってんだか。

行き帰りで3件の交通事故現場(処理中含む)を目撃。
安全運転を心がけよう。
詳細は後日。
本日付を以って、プロジェクトの第1目標が達成されることが決定。
これでプロジェクトが解散するわけではないけれど、ひと段落。
思い返せば、私がプロジェクトに関わることになったのは、平成16年の2月だったか。長期スパンのプロジェクトの担当者として最前線に立つプレッシャーに身震いをおぼえたものだったなぁ。

とりあえず今年度はプロジェクト自体が緩やかに進行なので、他の仕事を片付けつつ、来年以降の展開に備えようか。
さぁ、次の目標を目指して頑張ろう。
直木賞と芥川賞が決定。
 直木賞:朱川湊人『花まんま』
 芥川賞:中村文則『土の中の子供』
8日の日記で根拠もなく述べた推測が当たってしまった。
恩田さんは次で獲るでしょう、多分。
両作品とも未読の為、これ以上コメントできませぬ。
もうあなたは、あたしを絶対に裏切れない。夜の夢に託された9つの恐怖…
女性に圧倒的支持を受ける著者が描く、哀しみの恋愛ホラー。
幸せを保証してくれる、その、たった一つの願い。
恋をしている女なら、ひとつしか思いつかないはず。
自分が好きなひとが、他の誰よりも自分のことを好きになってくれて、そしてそれが、永遠に続くこと。だからあたしも、願った。
あたしの好きなひと、愛しているひとが、他の誰よりも、何よりもあたしを愛してくれるように。「願い」より
★=0.5
タイトルは「よるゆめ」。「異形コレクション」ほかに発表されたホラー短編9作を収録。
どの作品も、発表時のテーマやルールがあって、バリエーションに富んではいるが、そのために統一感が薄い。しかし作品の間に、正体不明の人物達がそれぞれに怖い話を語る、というブリッジを挟むことで、巧く一冊の作品集としてまとめている。
与えられたテーマやルールについてはあとがきで言及されているので、それを見た上で、筆者が与えられた素材をどのように料理したのか?を眺めるのも一興では無いだろうか。
ロボットが社会の一部となりつつある2035年を舞台にしたSFアクション。「人間に危害を加えてはいけない」などロボット3原則を守っていた家庭用ロボットが、殺人事件の容疑者となる。“ロボット嫌い”の刑事と、人間に近い感情を持つ最新ロボット「サニー」の攻防とともに、ロボット開発会社にうごめく陰謀や、進化したロボットの恐怖が明らかになっていく。原案となったのは、SF小説の巨匠アイザック・アシモフの「われはロボット」。
★=1.0
原作からはかなり膨らませた内容のストーリー。
アクション大作として立派な娯楽作品に仕上がっているが、ロボット三原則を知らない人には判りにくい場面もあったのではないだろうか。登場人物にもう少し解説させても良かったのでは。
ロボットの無表情さは動きは見事。刑事役のウィル・スミスは喋っているときよりも、黙り込んだときの方が良い演技をしていると思う。

最近、アシモフの名作を原案として映画化されているが、これを機にアシモフのことが、SFファンでない一般の人にも知ってもらえると良いのだけれど。

エビカレー。

2005年7月10日 飲食
毎度性懲りもなくカレーを作る。
エビが安かったので、エビカレーにすることに。
実は牛肉も特売だったのだが、国産黒毛和牛半額セール!って
いわれても、1,400円→700円な肉なんて買えません。

気を取り直して、欧風エビ煮込みカレーを作成。
タマネギ刻んで炒めて、トマトと剥きエビを投入して煮る。
その後、ジャガイモとカレールゥを投入して煮込む。
カイエンペッパーとブラックペッパーも少量足しておく。
以上。お手軽。

冷蔵庫の卵がそろそろヤバイので、スクランブルエッグにして
ライスに混ぜ込んでみる。サフランで少し風味付けもしておくか。

というわけで、炒り卵混ぜサフランライスに適当エビ煮込みカレー。
ぷりぷりの食感は失われてはいないけど、いまヒトツな感じ。
エビは煮る前に軽く炒めたほうが良いのかなぁ。要研究。
スクランブルエッグは……微妙かなぁ。
辛いキーマカレーのときに甘いスクランブルエッグを混ぜたら
メリハリが効いて面白いかもしれない。
職場の上司との不倫に疲れ、仕事もうまくいかず、30歳にして人生どん詰まりの梨央。一目惚れしたとび職を追いかけて飛び込んだ工務店では、亭主に逃げられた女社長がぶち切れ寸前。思いがけない事情から家を建てる仕事についた30と45の女達は何が何だかの大混乱――
★★=2.0
ややステレオタイプなストーリー展開だが、読みやすく楽しめる一冊。
物語の展開は早く、やや書き足りない部分も感じられるが、NHKでドラマ化されそうなほど、前向きな話である。文章も読みやすく、感情移入しやすい。章と章の間がポンと飛んでいるような印象を受けたので、もう少し分量があっても良かったとは思うが。

物語はハッピーエンドで終わらず、まだまだこれから。現在の状況も結構大変なのに、まだまだ難問が出てきそう。それでも全然大丈夫、すっきり笑顔で青空を眺められるような、爽快感にあふれた読後感。
毎度恒例の直木賞と芥川賞の候補作が選出されました。
文芸春秋の公式サイトに候補作一覧がでています。
・直木賞候補作
 http://www.bunshun.co.jp/award/naoki/index.htm
・芥川賞候補作
 http://www.bunshun.co.jp/award/akutagawa/index.htm

恩田陸の直木賞ノミネートは嬉しいが、『ユージニア』はねぇ…一般向けではない気がするが。なぜノミネートされない?と言われてきた作家で、『夜のピクニック』が賞をとったから……というのが理由ではないかと勘ぐってしまう。正直、『ユージニア』が直木賞作品とは思えないので。誰が取ってもおかしくない状況だが、過去のノミネート+出版社で朱川湊人がとるのでは無いだろうか。

毎度のコトながら、芥川の方はほとんど読んで無い。
過去のノミネートや受賞歴でいけば、中村文則だろうか。
未読の上、何の根拠も無い推測だが。

というわけでG1直木芥川は、朱川−中村で1点買い。
単勝大穴で、直木=恩田なら、それはそれで嬉しいけど。
あ、さらに大々穴の三浦しおんなら、本気で驚くけど。
20代の受賞者も数えるほどしかいないんだよね。
★★★=3.0
福岡旅行に『空飛ぶ馬』を持っていった勢いをかって、再読。このまま、シリーズ全巻再読となりそう。個人的には「夜の蝉」が本シリーズ第1位の作品である。主人公「私」の思いが静かに、そして鮮やかに描かれ、たどり着いたラストの一言。シリーズ白眉の一作だと思うが、いかがだろうか。

常々言っていることだが、北村薫はこのシリーズが一番の良作だと思う。ミステリの面白さに加えて、キャラクターが生き生きとしていて
存在感がある。そしてなによりも、人のやさしさをしっとりと描き出しているかのような雰囲気が良い。時に悪意あふれる人物を描き出しても、この世界は人という儚い存在の「やさしさ」に満ちているのである。

余談。『日本推理作家協会賞受賞作全集』版が双葉文庫からでているが、表紙が違うだけでかなり雰囲気が違う。個人的には、創元推理文庫版の成長が見える?イラストが好き。
『空飛ぶ馬』につづいて女子大生の〈私〉と噺家の春桜亭円紫師匠が活躍する。鮮やかに紡ぎ出された人間模様に綾なす巧妙な伏線と、主人公の魅力あふれる語りが読後の爽快感を誘う。第四十四回日本推理作家協会賞を受賞し、覆面作家だった著者が素顔を公開する契機となった第二作品集。

後日記載予定。
福岡を出発して人吉に向かう。
ココで飲まなくては!ということで、氷結のパイナップル、
グリーンアップル、シャルドネと缶チューハイを3本も空ける。
人吉で球磨川下り(90分)。ピンポイントで頭から水を被って堪能。
昼食は駅弁の栗ご飯弁当だった。(鮎寿司と選択式)
人吉を出て、高速をひた走り帰路につく。
車中ではなぜか、昨日に引き続き『釣りバカ日誌』のビデオ鑑賞会が。
2日間で2本『釣りバカ』を見る羽目に。
皆さん見てないようで結構見入っていたような。
20時ごろホームタウンに到着して解散。
バスの中で寝倒したような旅行だったなぁ。
朝06:30出発、貸し切りバスで福岡へ向かう。
旅のお供は、北村薫『空飛ぶ馬』。
読むヒマないかもな〜と、思いながらも一応持って行く。
グッタリ居眠りしているうちに、バスは鳥栖に到着。
アウトレットモールで買い物となるが、特に買うものなし。
なにせ服ばっかりなので。
ロイヤルコペンハーゲンの磁器を冷やかしたりして時間を潰す。
昼食は福岡のビール園でジンギスカン。案の定、食べ過ぎる。
夜はヤフードームで野球観戦だが、その前に自由時間。
福岡市立博物館でルーブル所蔵のエジプト展などを鑑賞。
エジプト、好きなんだけど不勉強だなぁ。
ヒエログリフ読めるようにならないと楽しめないのかもしれん。
野球観戦のあと、夕食を兼ねて飲みに出る。
そうこうしているうちに、福岡の夜は更けていく……
明朝06:20集合で福岡・人吉へ行ってきます。
1泊2日で職場の旅行です。
野球観戦とか球磨川下りとかするらしい。
で、荷造りをするわけですが。
22:00まで職域対抗バレーボールに参加な罠。
朝早く起きれるのかねぇ。
再会した19歳の息子は、ひきこもりだった。働く意欲もなく鬱屈を抱える姿に苛立つ父。二人の心が通いあう日は、果たして来るのか――。清々しい余韻の傑作長編。
★★=2.0
妻子に負い目がある父の苦悩と、ひきこもりの息子が再び歩き出す姿を感動的に描いている。父の視点から見ているので、息子の感覚は理解できない。まさに何を考えているのかわからない状況。それだけに、父の苦悩はクローズアップされている。
話が出来すぎの感もあるが、物語の描く感動を自然体で感じることができるのは、丁寧な描写によるところも大きいのではないだろうか。前半のさり気ない描写があとあと活きてくるなど、丁寧に作られた感のある一冊。

牧場主の台詞に「牛飼ってる牧場には、ほんと不思議な力、魔法みたいなもんがあるんだよ」というのがあるが、まさにそのとおり。そのうえであえて書きたい。「牧場に限らず魔法はどこにでもある。一歩踏み出しさえすれば、すぐそこに」と。

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