小泉首相の靖国参拝は中止されたらしい。
解散総選挙前、ということが大きく影響しているようだが、
それで止めるなら、いままでも止められたんじゃあないだろうか。
15日周辺は、テレビで戦争関連の特別番組が目白押し。
何だかもう、夏の風物詩のような感覚です。年末の「忠臣蔵」のような。
『火垂るの墓』も毎年やっているような気がするし。
戦争はやっちゃいけないことだし、日本とその属領だった国々、敵国にも多くの被害者を生み出した。その教訓から戦争反対を叫ぶのは正しいと思うし、同意も協力もする。
しかし、加害者としての日本の戦中行動と戦後保障、太平洋戦争と第二次世界大戦に至る経緯。そういったことは語られないままではないだろうか。
日本国を代表して首相による、国の過ちによる被害者への追悼としてならば、靖国参拝もアリだったのではないだろうか。合祀されている戦犯の問題などもあるだろうが……
ともあれ、今日は戦争に散った命に鎮魂の祈りを捧げたい。
彼らが命を失ったその歴史の先に、私たちは生きているのだから。
解散総選挙前、ということが大きく影響しているようだが、
それで止めるなら、いままでも止められたんじゃあないだろうか。
15日周辺は、テレビで戦争関連の特別番組が目白押し。
何だかもう、夏の風物詩のような感覚です。年末の「忠臣蔵」のような。
『火垂るの墓』も毎年やっているような気がするし。
戦争はやっちゃいけないことだし、日本とその属領だった国々、敵国にも多くの被害者を生み出した。その教訓から戦争反対を叫ぶのは正しいと思うし、同意も協力もする。
しかし、加害者としての日本の戦中行動と戦後保障、太平洋戦争と第二次世界大戦に至る経緯。そういったことは語られないままではないだろうか。
日本国を代表して首相による、国の過ちによる被害者への追悼としてならば、靖国参拝もアリだったのではないだろうか。合祀されている戦犯の問題などもあるだろうが……
ともあれ、今日は戦争に散った命に鎮魂の祈りを捧げたい。
彼らが命を失ったその歴史の先に、私たちは生きているのだから。
御影瑛路『僕らはどこにも開かない』
2005年8月14日 読書
★ナシ。
「挿絵の無い電撃文庫」ということで、「衝撃の問題作!」らしいのだが、普段挿絵の無い本を読み慣れている身にすれば、どうと言う事はない。ある意味では、目録等に著者名とイラストレイター名を列記するイマドキのライトノベルならではの煽りといえるだろう。
肝心の内容については、現代世界が舞台だが、設定の説明が上手くなされていない。特に登場人物については、消化不良気味の感がある。作者の意図した、本作の「味」なのかもしれないが、予定調和的展開と相まって違和感が否めない。全体を通じて人間の内面、暗い感情の部分を描き出しているが、ストーリー展開的には平板で目新しさに欠ける。
確かに電撃文庫(というか、ライトノベル全体)しか読まない読者層にとっては、「衝撃の問題作!」かもしれないが、それ以外の読者にとっては、あまり印象に残るような作品ではないと思われる。本書が電撃文庫で刊行されたことは、驚きに値するが、他のレーベルだったら対してニュースにならないのでは。
「挿絵の無い電撃文庫」ということで、「衝撃の問題作!」らしいのだが、普段挿絵の無い本を読み慣れている身にすれば、どうと言う事はない。ある意味では、目録等に著者名とイラストレイター名を列記するイマドキのライトノベルならではの煽りといえるだろう。
肝心の内容については、現代世界が舞台だが、設定の説明が上手くなされていない。特に登場人物については、消化不良気味の感がある。作者の意図した、本作の「味」なのかもしれないが、予定調和的展開と相まって違和感が否めない。全体を通じて人間の内面、暗い感情の部分を描き出しているが、ストーリー展開的には平板で目新しさに欠ける。
確かに電撃文庫(というか、ライトノベル全体)しか読まない読者層にとっては、「衝撃の問題作!」かもしれないが、それ以外の読者にとっては、あまり印象に残るような作品ではないと思われる。本書が電撃文庫で刊行されたことは、驚きに値するが、他のレーベルだったら対してニュースにならないのでは。
近藤史恵『賢者はベンチで思索する』
2005年8月13日 読書ファミレス常連客のあの老人。でも公園のベンチで見かけるときとあまりに印象が違うのはなぜ?ファミリーレストラン「ロンド」を舞台に描く、犬と老人と21歳の女の子が挑むミステリー。★=1.0
痴呆気味の老人とファミレス店員の女性。
ミステリの探偵役としては、あまり絵にならない構図だが、キャラクターの魅力にあふれていて、どんどん物語りに引き込まれていく。
「いつだって悪意はすれちがうほど側にいる」、確かにそうだ。そして、気付かないほど沢山の善意も側にある。著者の作品には(ミステリでありながらも)、人間の温かさや優しさを描き出した作品がある。本書も、じんわり胸に染みるあたたかなミステリである。
毎度恒例、誕生祝を兼ねた(かこつけた)同期採用者の飲み会。
夏の場合はビアガーデンで飲み放題ってのが、お約束になってますな。
ビールで乾杯してあとはひたすらカクテルモドキを飲む。
なにがモドキかといえば、自分で作ってるので。もう適当。
ピーチリキュールをウーロン茶で割って少し炭酸とか。
ジンにカシスを混ぜてみるとか。もう適当。
2時間で結構な量を飲み食いしたと思う。
私がチョイスした誕生日プレゼントも、まあ喜んでもらえたようで、良し。
2軒目はカラオケボックスへ。この流れもお約束になりつつある。
同輩諸氏は90年代懐メロでヒートアップ。
ゲスト参加の後輩君が、陰陽座とか歌いだしちゃってすごいコトに。
11月に結婚する男(入籍済)がいたもんだから、それ系のラブソングが飛び交ってましたな。私めも、恥ずかしながら米倉千尋の『FRENDS』を拙く歌ってみました。
何だかんだで、青リンゴチューハイを4杯ほど飲んだような気が。
久し振りに、何かが吹っ切れたような飲み会だったなぁ。
夏の場合はビアガーデンで飲み放題ってのが、お約束になってますな。
ビールで乾杯してあとはひたすらカクテルモドキを飲む。
なにがモドキかといえば、自分で作ってるので。もう適当。
ピーチリキュールをウーロン茶で割って少し炭酸とか。
ジンにカシスを混ぜてみるとか。もう適当。
2時間で結構な量を飲み食いしたと思う。
私がチョイスした誕生日プレゼントも、まあ喜んでもらえたようで、良し。
2軒目はカラオケボックスへ。この流れもお約束になりつつある。
同輩諸氏は90年代懐メロでヒートアップ。
ゲスト参加の後輩君が、陰陽座とか歌いだしちゃってすごいコトに。
11月に結婚する男(入籍済)がいたもんだから、それ系のラブソングが飛び交ってましたな。私めも、恥ずかしながら米倉千尋の『FRENDS』を拙く歌ってみました。
何だかんだで、青リンゴチューハイを4杯ほど飲んだような気が。
久し振りに、何かが吹っ切れたような飲み会だったなぁ。
今年2回目のフィールドワーク終了。
1か月に満たない短期間であったものの、連日30℃オーバーの炎天下で作業したため、結構ツラかった。何はともあれ、終了。
次は11月か。その前の10月に2つほど企画モノがあるなぁ……盆明けから1か月で準備しなくては。
それはさておき、今夜は私的打上げということで祝杯。
日本酒用のガラスの器(氷が解けても酒と混ざらないヤツね←正式名称は何?)とセットのグラスを用意しておいて、素麺を茹でる。蕎麦猪口(代用)は冷凍庫でキンキンに冷やしておこう。
箸休めに辛味をということで、茹でたタコをぶつ切りにしてほぐした辛子明太と和える。頂き物の生節もスライスしてちょっぴり醤油をたらす。せっかくなので、普段使わない切子の器も出してしまおう。
ひととおり準備が出来たところで、ひとっ風呂浴びて準備完了。
程よく冷えた冷酒をあおり、素麺をすする。タコ明太が良い辛さで酒がすすむすすむ。飲みすぎるかもなぁ。
明日も仕事だけど、まぁいいか。おつかれさん。
1か月に満たない短期間であったものの、連日30℃オーバーの炎天下で作業したため、結構ツラかった。何はともあれ、終了。
次は11月か。その前の10月に2つほど企画モノがあるなぁ……盆明けから1か月で準備しなくては。
それはさておき、今夜は私的打上げということで祝杯。
日本酒用のガラスの器(氷が解けても酒と混ざらないヤツね←正式名称は何?)とセットのグラスを用意しておいて、素麺を茹でる。蕎麦猪口(代用)は冷凍庫でキンキンに冷やしておこう。
箸休めに辛味をということで、茹でたタコをぶつ切りにしてほぐした辛子明太と和える。頂き物の生節もスライスしてちょっぴり醤油をたらす。せっかくなので、普段使わない切子の器も出してしまおう。
ひととおり準備が出来たところで、ひとっ風呂浴びて準備完了。
程よく冷えた冷酒をあおり、素麺をすする。タコ明太が良い辛さで酒がすすむすすむ。飲みすぎるかもなぁ。
明日も仕事だけど、まぁいいか。おつかれさん。
森博嗣『ダウン・ツ・ヘヴン』
2005年8月10日 読書人間って、空から墜ちてきたものかもしれない。それじゃあ、死んだら、上がっていく?――戦いを生きる子供たち。著者渾身のシリーズ第三弾★★=1.5
『スカイ・クロラ』『ナ・バテ・ア』に続くシリーズ3作目。
相変わらず綺麗な装丁の本。
現実感の無い地上の日常と、嬉々として戦闘機を駆る空中。
疑問も苦悩もなく戦闘機を飛ばした日々から、少しずつ世界の動きに飲み込まれていく。
遣る瀬無さ、悲哀、切なさ。ネガティブなイメージの感想が混ざりあい、孤高の悲壮感とでも言うべき読後感を与える。
1作目『スカイ・クロラ』はイマヒトツな感じだったが、2作目で色々なことがわかり、すごく面白くなってきた。続刊が待ち遠しい。
六嶋由岐子『ロンドン骨董街の人びと』
2005年8月8日 読書「やっぱり、この瓶が一番だ」ひと気のないロンドンの美術館で南宋の青磁に魅せられた著者は、イギリス留学して美術史を学び、ついに欧州屈指の古美術商スピンクに職を得る。変人一歩手前の大富豪コレクターたち、華やかなアンティックス・フェア、貴族の館のオークション、ガンダーラ美術の世界的権威の壮絶な死など、英国人気質を垣間見ることのできる、極上の自伝的エッセイ。★★=1.5
実家から借りてきた本。仕事の合間、昼休みに少しづつ読んでようやく読了。
骨董ブームの昨今、骨董入門の書籍等もあるが、本書はそういった骨董関連の実用書ではなく、骨董エッセイとしての良書である。
ロンドン、大英帝国の中心を担った街で、骨董に関わった著者だから書ける、英国気質、イギリスという国を描き出した一冊。
かつて世界を席巻した大英帝国という歴史、その気風を受け継ぐ「イギリス人」という人々。その「イギリス人」とともに著者がドライに、あるいは愛情を込めて、そして時には非難めいて描きながらも、第二の故郷と呼ぶ街、ロンドン。
私も、一度はその骨董街を歩いてみたい。
毎度おなじみ、適当カレー。
今日は鶏団子カレー。
鍋に油をひいてクミンを炒める。
みじん切りのタマネギを投入して、よーく炒める。
チキンブイヨンをお湯に溶かして鍋に。
ターメリック、コリアンダーを入れて煮込む。
キャラウェイをまぶしておいた鶏団子も投入。
フライパンに油をひいて、ナスとオクラ、シシトウを炒める。
ナスがしんなりしてきたら、角切りのトマトを加えてスパイス類を混ぜ、さらに炒める。
器にご飯を盛ってフライパンの具材を並べたら、熱々のソースをかけて完成。
サラサラで黄色いスープの、スリランカのカレーをイメージしたが、
作り方知らないので、適当に作ってみた。しかし、出来上がりは、北インドの肉団子カレー(コフタカレーだっけ?)と足して3で割ったような印象。
味の方は、ピリッとスパイスが効いた感じで、まぁまぁの出来。
今日は鶏団子カレー。
鍋に油をひいてクミンを炒める。
みじん切りのタマネギを投入して、よーく炒める。
チキンブイヨンをお湯に溶かして鍋に。
ターメリック、コリアンダーを入れて煮込む。
キャラウェイをまぶしておいた鶏団子も投入。
フライパンに油をひいて、ナスとオクラ、シシトウを炒める。
ナスがしんなりしてきたら、角切りのトマトを加えてスパイス類を混ぜ、さらに炒める。
器にご飯を盛ってフライパンの具材を並べたら、熱々のソースをかけて完成。
サラサラで黄色いスープの、スリランカのカレーをイメージしたが、
作り方知らないので、適当に作ってみた。しかし、出来上がりは、北インドの肉団子カレー(コフタカレーだっけ?)と足して3で割ったような印象。
味の方は、ピリッとスパイスが効いた感じで、まぁまぁの出来。
森博嗣『θは遊んでくれたよ』
2005年8月6日 読書飛び降り自殺とされた男性死体の額には「θ(シータ)」と描かれていた。半月後には手のひらに同じマークのある女性の死体が。さらに、その後発見された複数の転落死体に印されていた「θ」。自殺? 連続殺人? 「θ」の意味するものは? N大病院に勤める旧友、反町愛から事件の情報を得た西之園萌絵らの推理は……。好調Gシリーズ第2弾!★★★=2.5
ようやく読めたGシリーズ2巻。作品自体にシリーズ名が明記されたのは初めてではないだろうか。ギリシャ文字だからGシリーズ。果たして何作続くのだろうか。
まさに私が希望する森博嗣の作品。Vシリーズは好きになれなかったが、S&Mシリーズに近い感じになってくれて、本当に良かった。
ミステリではあるが、「犯人がなぜ、どのように、事件を行ったか」よりも、事件に関する人々の考察に重きを置いているような印象がある。文章を捏ね繰り回さず、スパッと端的に表現する文体は小気味良い。
この事件はこれで完結しているが、登場人物など次巻へのヒキがあるのはS&MよりもVシリーズに近いか。次作「τ(タウ)になるまで待って」を楽しみに待とう。
何となく、書籍や映画についての自己評価を付記することにしました。
ミシュランのホテル・レストランガイドブック(いわゆる赤ミシュラン)風に星を付けてみようと思います。
ミシュランの評価基準は概ね
★★★:それを目的にわざわざ出かけていく価値のある店
★★ :近くを訪れる機会があれば、回り道しても訪れる価値のある店
★ :カテゴリーにおける、質の高い料理を出す店
ということですので、
★★★:お金を出して購入(鑑賞)する価値のある作品
★★ :目にする機会があれば、見ておくだけの価値のある作品
★ :良質の作品(単純に言えば、楽しめた作品)
とし、数値評価で0.5刻みの0.0〜3.0まで7段階とします。
もちろん、ミシュランの“主観的な”評価同様、私の個人的な評価です。ジャンルの好き嫌いもありますし。
私自身が図書館やレンタルビデオ屋に頼った、レンタル生活である点が考慮されております。
また、赤ミシュランでレストランの雰囲気を評価した5段階のフォーク評価があり、装丁、パッケージ、紙質などに相当すると思いますが、とりあえず評価として明記せず、気づいた点は本文中で述べて行きたいと思っています。
ミシュランのホテル・レストランガイドブック(いわゆる赤ミシュラン)風に星を付けてみようと思います。
ミシュランの評価基準は概ね
★★★:それを目的にわざわざ出かけていく価値のある店
★★ :近くを訪れる機会があれば、回り道しても訪れる価値のある店
★ :カテゴリーにおける、質の高い料理を出す店
ということですので、
★★★:お金を出して購入(鑑賞)する価値のある作品
★★ :目にする機会があれば、見ておくだけの価値のある作品
★ :良質の作品(単純に言えば、楽しめた作品)
とし、数値評価で0.5刻みの0.0〜3.0まで7段階とします。
もちろん、ミシュランの“主観的な”評価同様、私の個人的な評価です。ジャンルの好き嫌いもありますし。
私自身が図書館やレンタルビデオ屋に頼った、レンタル生活である点が考慮されております。
また、赤ミシュランでレストランの雰囲気を評価した5段階のフォーク評価があり、装丁、パッケージ、紙質などに相当すると思いますが、とりあえず評価として明記せず、気づいた点は本文中で述べて行きたいと思っています。
三浦しをん『むかしのはなし』
2005年8月5日 読書人は変化する世界を言葉によって把握する。どんな状況においても、言葉を媒介に誰かと繋がっていたいと願う…。語られることによって生き延びてきた物語である「日本昔話」を語り変えた書下ろし7編を収録。★=0.5
直木賞候補作。
現代に「昔話」が生まれたらと考え、7つの日本昔話を語り変えた作品群を収録。各話の冒頭にはベースとなった昔話のダイジェストが記されているが、そのダイジェストぶりがすごい。余分な装飾を省いて、物語の筋を淡々と記している。その昔話をベースにして書かれた作品群であるが、いまひとつベースの昔話との接点が見出しづらい。なんとなく、イメージ上では類似性を認められるが、どの部分がどの要素を表現しているのか判別しがたい。
「語り変えた」という表現に拘らず、単純に昔話をイメージした短編集として読めば良かったのか。
平成15年から関わってきたプロジェクトも、平成17年3月を以って終了。去る7月14日には、プロジェクトの結果が認められ、当初期待されていた成果を(結果的に半年遅れだが)、無事に達成することが出来た。
そんなわけで、某所にてウチのプロジェクト事例について事例発表。
Powerpointによるプレゼン?初挑戦。
えーと、前の発表者が時間超過して持ち時間が削られて、焦って早口で(それでなくても早口になるのに)喋ってしまったのは、減点。まだまだ修行が足りませんな。
ちなみに、同じ様な内容で、秋の学会でも発表する予定になっている。
次は頑張れ、自分。
そんなわけで、某所にてウチのプロジェクト事例について事例発表。
Powerpointによるプレゼン?初挑戦。
えーと、前の発表者が時間超過して持ち時間が削られて、焦って早口で(それでなくても早口になるのに)喋ってしまったのは、減点。まだまだ修行が足りませんな。
ちなみに、同じ様な内容で、秋の学会でも発表する予定になっている。
次は頑張れ、自分。
絲山秋子『スモールトーク』
2005年8月3日 読書「じゃ、回り道してやろうぜ。どうせこの世の全てが回り道なんだ」6台のクルマをめぐる、回復と喪失の物語。車好きの楽しめる小説。さらに書下ろしエッセイ、徳大寺有恒との対談も収録。★=1.0
登場人物は、38歳の独身女性と40歳の元恋人、6台の外国車。車には全然詳しくないが、純粋に物語として惹きこまれる内容。車に詳しい人にはさらに+アルファのシンパシーが得られるのだろうか。
登場人物の二人にとって、「クルマ」とは700万円以上のものを指すらしい。……この時点で、すでにお呼びじゃないな。
車を移動手段としか見ていない私にとって(田舎=自家用車必須)、この本に出てくるような「クルマ」を買うことはないだろうなぁ。フィアット贔屓の人に「イタリア車に乗ると我慢することを覚える」っていわれても。ねぇ。
エッセイで綴られる、会社員時代の商用車カローラバンへの愛情を見るに、この作者は本当に車が好きなんだろうなと、思う。
山口雅也『チャット隠れ鬼』
2005年8月2日 読書ネット上の自警集団「サイバー・エンジェル」候補に選ばれた国語教師の祭戸浩実は、チャットルームで知り合ったJezebel-Pと名乗る主婦との会話に夢中になっていくが…。『週刊アスキー』連載に加筆して単行本化。★=1.0
チャットを題材にしたミステリ?ホラー?
登場人物が少なすぎ、全員が何らかの形で関係しているという、お隣さんとネットな稀有な状況はややリアリティが薄いように感じられる。意外性はあるものの、もうすこし登場人物がいても良かったのではないだろうか。
ネットでのチャットをモチーフにした、という、すでにいささか手垢がついた感じのテーマだが、さすがにベテラン作家。読ませる。
「mimic」とは擬態の意。動物が身を守ったり、敵を攻撃したり、色や形を周囲の物や捕食者に似せることをいう。★=1.0
ゴキブリを媒介として子供たちを死に至らしめる伝染病が、近未来のニューヨークを襲った。昆虫学者スーザンは、遺伝子操作でDNAをもたないゴキブリの天敵「ユダの血統」を発表。伝染病は絶滅したかのように見えたが、「ユダ」は進化し、人間に擬態して変化を遂げていくのだった。
B級ホラーの名高い(?)名作らしい。『ミミック3』まで製作されている。
人間に擬態した巨大昆虫が人を襲うというシチュエーション。アリとカマキリの遺伝子を組み込んでいるので、殺傷力と組織力は高い。
B級なりに楽しめるが、設定的にはいかがなものかと。
伝染病媒介者の根絶(伝染病の原因根絶ではない)に、遺伝子操作した新種を作り出すなんてのは……よく国が許したな、と。それだけ逼迫した状況だったということか。あと、クリーチャーの擬態も映像を見る限りは、かなり無理があるレベル。
個人的には、嫌悪感をぞくぞくと刺激するオープニングが格好よくて好き。このためだけに見ても良いくらい。
北村薫『ニッポン硬貨の謎』
2005年7月30日 読書1977年、ミステリ作家でもある名探偵エラリー・クイーンが出版社の招きで来日し、公式日程をこなすかたわら東京に発生していた幼児連続殺害事件に興味を持つ。以上、引用は東京創元社のサイトより。
同じ頃、大学のミステリ研究会に所属する小町奈々子は、アルバイト先の書店で、50円玉20枚を「千円札に両替してくれ」と頼む男に遭遇していた。
奈々子はファンの集い〈エラリー・クイーン氏を囲む会〉に出席し、『シャム双子の謎』論を披露するなど大活躍。クイーン氏の知遇を得て、都内観光のガイドをすることに。上野動物園で幼児誘拐の現場に行き合わせたことをきっかけに、名探偵エラリーは2つの難事件の核心に迫り、ついに対決の場へ……!
http://www.tsogen.co.jp/wadai/0505_04.html
★★=1.5
副題は「エラリー・クイーン最後の事件」。北村薫がミステリ作家エラリー・クイーンの未発表作品を翻訳したという体裁の、パスティーシュ小説。問題になる事件は、小説家若竹七海が実際に遭遇した「謎」に対する北村薫なりの解答にもなっている。(この「謎」は著名な作家が各々解答を述べたばかりでなく、一般公募までなされた。その結果は『競作 五十円玉二十枚の謎』としてまとめられている。)
クイーンの文体を真似つつ「らしい」書き方をしている点など、現代のミステリに慣れた身には、いささか物足りないかもしれないが、エラリー・クイーンが好きな人には嬉しい一冊だろう。エラリーの著作を論じる部分など、著者がいかにエラリーの作品を好んだかが良くでている。
ミステリ・ファンにはたまらない一冊だが、エラリー・クイーンを読んでない人には、「ふーん」で終わってしまいそう。その点ではマニア向けというべきか。
誰かが私の「過去」を覗いている!いや違う、「過去」が私を覗いているのか。ホラー小説の旗手が「本当にあった怖い話」を取材して描いた超恐怖小説!★=0.5
ホラー短編集。
「本当にあった怖い話」をアレンジしているようだが、オリジナル?の内容に引きずられたのか、小説としての完成度はやや低め。小説ならではの怖さという印象は薄いように思えた。むしろ、あとがきめいた独白の文章の方が怖いくらい。
DVD『下弦の月 −ラスト・クォーター−』
2005年7月28日 映画大学生の美月(栗山千明)は廃墟の洋館で謎のミュージシャン・アダム(HYDE)と出会い、その1週間後にトラックにひかれてしまう。その同時刻に、同じく車にはねられた中学生の螢(黒川智花)は、退院後に導かれるように洋館へたどり着き、そこで生死をさまよいながら閉じ込められている美月の魂と出会う。美月とアダムの秘密、そこには19年前の事件が深く関係していた…。★=1.0
結構、評判が良いようなので鑑賞。栗山千明も(人間離れした感じが)結構好きだし。
原作マンガは未読だが、ストーリー構成は結構ありきたりで、いかに料理するかという点で「演出勝負」な印象を受けた。
その結果は……、いまひとつか。何だか、全体的に間がタルい感じが……。個人的に、総じて演技が巧くないと思ってしまったのも、マイナスポイント。
とりあえず、原作を読んでみようかな。
伊坂幸太郎『死神の精度』
2005年7月27日 読書「俺が仕事をするといつも降るんだ」クールでちょっとズレてる死神が出会った6つの物語。音楽を愛する死神の前で繰り広げられる人間模様。第57回日本推理作家協会賞短編部門受賞。★★=2.0
人間の生死を決定するために死神がやってくるという、聞き慣れた設定の物語。
ところが、この死神がなかなかにオモシロイ。
飄々とした印象が強く、台詞回しも意図せずにどこかペシミスティックな感じ。クールに淡々と仕事をこなす彼に、あまりに冷たいんじゃないのかい?と言いたくなる場面もあるが、1冊読み終えるとどこか清々しい、爽快感がある。どの物語も格好良いのである。主人公である死神が格好良いのではなく、設定、舞台、台詞、その他の登場人物など全て含めて、物語が格好良いのである。満足度の高い1冊。
吹雪で山荘に閉じ込められた人々。その中には死神もいるし、死ぬことが決定している人もいる。……パロディかな、これは。ミステリの新しいカタチかもしれない。(もちろん、そんなワケない。)
「じゃがりこ ジュラシックソルト味」
2005年7月25日 飲食カルビーの「じゃがりこ」に期間限定の「ジュラシックソルト」なるものを発見。恐竜(じゃないのもいるが)が飛び交うパッケージはポップでなかなかカワイイ。
カルビーのこじつけではなく、ユタ州産の岩塩が「ジュラシック・ソルト」として販売されているらしい。しかしアレだ、「恐竜=ジュラ紀」の構図に誰も異議を唱えないのかね。映画『ジュラシック・パーク』に登場する恐竜の多くは白亜紀のものだったろうに。ネーミング先行にもほどがあるだろう。たしかに『チョーキッシュ・パーク』じゃ売れそうには無いけれど。世間的には「ジュラシック=恐竜的な何か」という刷り込がされているんだろうなぁ。
閑話休題。
「じゃがりこジュラシックソルト」は普通に塩味でした。当たり前か。
塩辛い感じではなく結構あっさり系。
歴史のロマン ジュラシックソルト無理やりだ……。
このじゃがりこに使用されているのは、アメリカ・ユタ州産の岩塩。
かつて恐竜が生息していた紀元前のジュラ紀、ユタ州は海の底でした。
その海が地殻変動で閉じ込められ、干上がった地層から取れた岩塩が「ジュラシック・ソルト」。
塩味の中に、大地の恵みと歴史のロマンがつまっています。
カルビーのこじつけではなく、ユタ州産の岩塩が「ジュラシック・ソルト」として販売されているらしい。しかしアレだ、「恐竜=ジュラ紀」の構図に誰も異議を唱えないのかね。映画『ジュラシック・パーク』に登場する恐竜の多くは白亜紀のものだったろうに。ネーミング先行にもほどがあるだろう。たしかに『チョーキッシュ・パーク』じゃ売れそうには無いけれど。世間的には「ジュラシック=恐竜的な何か」という刷り込がされているんだろうなぁ。
閑話休題。
「じゃがりこジュラシックソルト」は普通に塩味でした。当たり前か。
塩辛い感じではなく結構あっさり系。