筆者のホームページ他で、WEBに公開していた日記をまとめたもの。
欄外には、筆者によるツッコミ脚注も加筆されている。
かなり楽しく読むことができた。
内容には、多分に嘘が含まれているとのことで、明らかに嘘の部分もあり。
あとがきでも述べられるように、筆者ではないキャラクター、「小生」の
日記として、「小生」の感情や目線が混在している。
個人的には、筆者お得意の「人を食ったようなあとがき(褒め言葉)」を
集めたかのようで、実に面白かった。
欄外には、筆者によるツッコミ脚注も加筆されている。
かなり楽しく読むことができた。
内容には、多分に嘘が含まれているとのことで、明らかに嘘の部分もあり。
あとがきでも述べられるように、筆者ではないキャラクター、「小生」の
日記として、「小生」の感情や目線が混在している。
個人的には、筆者お得意の「人を食ったようなあとがき(褒め言葉)」を
集めたかのようで、実に面白かった。
京極夏彦『百器徒然袋 風 』
2004年8月19日 読書ようやく読了。中編3編収録。
今回も「探偵小説」ということで、名探偵 榎木津礼二郎が大活躍。
もちろん、相変わらずの民俗関連薀蓄が満載でお腹一杯。
榎木津がメインということで、京極堂は解説役に徹してますが、
少しキャラクターが違いませんか?
どこがどうというわけではないんですが……
何となく、台詞回しに違和感が……私だけでしょうか?
収録作品は連作になっていて、招き猫に関する「五徳猫」、
鏡が出てくる「雲外鏡」、能面と追難の「面霊気」。
個人的な一押しは「雲外鏡」ですかね。
榎木津らしさが良く出ていて、楽しめました。
次回作『邪魅の雫』はいつになるんでしょうか?
『姑獲鳥の夏』映画化は不安もあるけど、それも含めて(苦笑)楽しみですねぇ。
今回も「探偵小説」ということで、名探偵 榎木津礼二郎が大活躍。
もちろん、相変わらずの民俗関連薀蓄が満載でお腹一杯。
榎木津がメインということで、京極堂は解説役に徹してますが、
少しキャラクターが違いませんか?
どこがどうというわけではないんですが……
何となく、台詞回しに違和感が……私だけでしょうか?
収録作品は連作になっていて、招き猫に関する「五徳猫」、
鏡が出てくる「雲外鏡」、能面と追難の「面霊気」。
個人的な一押しは「雲外鏡」ですかね。
榎木津らしさが良く出ていて、楽しめました。
次回作『邪魅の雫』はいつになるんでしょうか?
『姑獲鳥の夏』映画化は不安もあるけど、それも含めて(苦笑)楽しみですねぇ。
西澤保彦『パズラー』
2004年8月14日 読書6編の短編からなる、本格パズラー作品集。
「パズラー」は「パズル小説」というような意味。
ミステリの中でも、パズルのような謎解き要素の強いものを、
「パズラー」と呼ぶらしい。
6つの作品は論理的構築の密度が高く、ハイレベルな感じ。
少々ホラー風味な作品もあり、楽しめた。
「チープ・トリック」「アリバイ・ジ・アンビバレンス」がお気に入り。
「パズラー」は「パズル小説」というような意味。
ミステリの中でも、パズルのような謎解き要素の強いものを、
「パズラー」と呼ぶらしい。
6つの作品は論理的構築の密度が高く、ハイレベルな感じ。
少々ホラー風味な作品もあり、楽しめた。
「チープ・トリック」「アリバイ・ジ・アンビバレンス」がお気に入り。
北森鴻『メイン・ディッシュ』
2004年7月27日 読書夏のイベント打ち上げで飲み会。
ビアガーデンで騒いで2次会へもGO!
で、帰ってきて風呂上りに読み始めた
『メイン・ディッシュ』が面白すぎて、一気に読了。寝たの26時だよ(笑)
うわっすげっ!くう〜〜っと、布団の上で悶絶しておりました。
もうね、良い。良いよ!北森鴻、最高。
連作短編なミステリで、ひとつひとつはやや物足りない感じだけれど、
全体を通してひとつの真実が見えてくる……のは当然で、
さらにその上を行く構成になってます。
A=Bで、A’とかB’が出てきて、でもA’は虚構で、
A"=Bなんだけど、結果的にA=A"みたいな。
書いてて自分でもワケわかんない(苦笑)
謎解きメインのミステリではなく、暖かいストーリーが良い感じです。
作中に出てくる料理も、とても美味しそう(苦笑)
ストーリーと構成の妙技に、やってくれるな〜ちくしょう〜!と悶絶。
北森鴻は乱読気味に読んでいて、傑作!と思うものも多いけれど、
マイベストはコレかなぁ。
ビアガーデンで騒いで2次会へもGO!
で、帰ってきて風呂上りに読み始めた
『メイン・ディッシュ』が面白すぎて、一気に読了。寝たの26時だよ(笑)
うわっすげっ!くう〜〜っと、布団の上で悶絶しておりました。
もうね、良い。良いよ!北森鴻、最高。
連作短編なミステリで、ひとつひとつはやや物足りない感じだけれど、
全体を通してひとつの真実が見えてくる……のは当然で、
さらにその上を行く構成になってます。
A=Bで、A’とかB’が出てきて、でもA’は虚構で、
A"=Bなんだけど、結果的にA=A"みたいな。
書いてて自分でもワケわかんない(苦笑)
謎解きメインのミステリではなく、暖かいストーリーが良い感じです。
作中に出てくる料理も、とても美味しそう(苦笑)
ストーリーと構成の妙技に、やってくれるな〜ちくしょう〜!と悶絶。
北森鴻は乱読気味に読んでいて、傑作!と思うものも多いけれど、
マイベストはコレかなぁ。
鷺沢萌『かわいい子には旅をさせるな』
2004年7月26日 読書4月11日に急逝した筆者のエッセイ集。
大和書房のサイトにて公開された4月分5月分の原稿も収録。
この人のエッセイは本当に楽しく読める。
こんなに楽しい文章を書いていた人が、何故、自らの命を絶ったのか。
それは、私にはわからないことだけれども。
この本を読み、踊るように楽しい氏の文章に触れて、あらためて思う。
御冥福を心からお祈り申し上げます。
大和書房のサイトにて公開された4月分5月分の原稿も収録。
この人のエッセイは本当に楽しく読める。
こんなに楽しい文章を書いていた人が、何故、自らの命を絶ったのか。
それは、私にはわからないことだけれども。
この本を読み、踊るように楽しい氏の文章に触れて、あらためて思う。
御冥福を心からお祈り申し上げます。
長谷川康夫『深呼吸の必要』
2004年7月21日 読書同名映画のノベライズ。
沖縄の離島で「サトウキビ刈り」に参加した7人の若者の35日間を描く。
文章自体はあっさりとしていて、読みやすい。
そのかわり、ちょっと描写が淡白すぎると感じる部分もある。
ストーリーは優等生的というか、お約束というか、ありきたりすぎ。
それでもラストでじーんとくるのは、物語に引き込まれていったから。
結末が気になる類でもなく、感情移入ともちょっと違う、不思議な引き込まれ方。
これは映画も見てみたいなぁ。レンタルを探してみよう。
『精霊流し』といい、邦画のお約束は結構泣ける。
年をとったってことか(苦笑)
それとも、やっぱり日本人ってことかしら(強引なまとめ方)
沖縄の離島で「サトウキビ刈り」に参加した7人の若者の35日間を描く。
文章自体はあっさりとしていて、読みやすい。
そのかわり、ちょっと描写が淡白すぎると感じる部分もある。
ストーリーは優等生的というか、お約束というか、ありきたりすぎ。
それでもラストでじーんとくるのは、物語に引き込まれていったから。
結末が気になる類でもなく、感情移入ともちょっと違う、不思議な引き込まれ方。
これは映画も見てみたいなぁ。レンタルを探してみよう。
『精霊流し』といい、邦画のお約束は結構泣ける。
年をとったってことか(苦笑)
それとも、やっぱり日本人ってことかしら(強引なまとめ方)
江國香織『思いわずらうことなく愉しく生きよ』
2004年7月19日 読書「思いわずらうことなく愉しく生きよ」を家訓として育てられた三姉妹の恋愛の物語。
結婚7年目の長女。その夫によるドメスティック・バイオレンスを中心にして話は進む。
作中で述べられるDVに関しては、なぜ別れない?と、非常に不思議に思うが、
DV被害者の女性には別れられない離れられない人も多いと聞く。
暴力振るう男って最低だと思うけどなぁ。
正直な話、江國香織の作品はは、あまり得意じゃない。
女性心理への得心のいかなさというか、どうにも居心地の悪さを感じてしまう。
ところが今回は、心理描写もすんなりと読み込めて最後まで楽しめた。
現実と乖離した恋愛が多い(と感じていた)これまでの作品と比べて、
妙に現実的なストーリー展開と感じたことも関係しているかもしれない。
「思いわずらうことなく愉しく」生きるのは並大抵のことじゃないし、世の中そんなに甘くない。
それでも、三姉妹はパワフルに生きている。
様々な葛藤や問題を抱えて、それでも前向きに生きている。
やっぱり「前向き」というのが、愉しく生きる秘訣かもしれない。
結婚7年目の長女。その夫によるドメスティック・バイオレンスを中心にして話は進む。
作中で述べられるDVに関しては、なぜ別れない?と、非常に不思議に思うが、
DV被害者の女性には別れられない離れられない人も多いと聞く。
暴力振るう男って最低だと思うけどなぁ。
正直な話、江國香織の作品はは、あまり得意じゃない。
女性心理への得心のいかなさというか、どうにも居心地の悪さを感じてしまう。
ところが今回は、心理描写もすんなりと読み込めて最後まで楽しめた。
現実と乖離した恋愛が多い(と感じていた)これまでの作品と比べて、
妙に現実的なストーリー展開と感じたことも関係しているかもしれない。
「思いわずらうことなく愉しく」生きるのは並大抵のことじゃないし、世の中そんなに甘くない。
それでも、三姉妹はパワフルに生きている。
様々な葛藤や問題を抱えて、それでも前向きに生きている。
やっぱり「前向き」というのが、愉しく生きる秘訣かもしれない。
村山由佳『翼 cry for the moon』
2004年7月17日 読書父の自殺、母からの虐待、学校でのイジメ、主人公の幼年期はかなり悲惨。
現在はアメリカ国籍を取得し、ニューヨークで過ごしていたが……
というストーリー。
村山由佳らしい(?)、甘くて優しくてやわらかい物語ですが、(本が)厚いです。
冗長ということではないけれど、少しばかり読むのに疲れました。
過去の悲しい描写よりも、現在進行形で描かれる(ストーリー上)現在の悲しみの方が効きますね。
当たり前といえば当たり前ですが。
感情移入しているだけに、悲しさが身にしみて。
現在はアメリカ国籍を取得し、ニューヨークで過ごしていたが……
というストーリー。
村山由佳らしい(?)、甘くて優しくてやわらかい物語ですが、(本が)厚いです。
冗長ということではないけれど、少しばかり読むのに疲れました。
過去の悲しい描写よりも、現在進行形で描かれる(ストーリー上)現在の悲しみの方が効きますね。
当たり前といえば当たり前ですが。
感情移入しているだけに、悲しさが身にしみて。
嶽本野ばら初体験。
噂には聞いていたけど、読む機会はなく。
「『鱗姫』はホラーで、ラブクラフトに言及している」との情報を得て、今回初挑戦。
果たして……
感想。
結構、楽しめました。
ストーリーはホラーっぽく、耽美っぽい?感じ。
ホラーとしても、設定自体は私の好きな部類。
ただ、キャラクターがぶっとんでる。凄すぎ……。
でも、キライじゃない(苦笑)ので、他の作品も呼んでみようかなーと。
個人的には驚愕の事実。
この人、男性だったのね……
噂には聞いていたけど、読む機会はなく。
「『鱗姫』はホラーで、ラブクラフトに言及している」との情報を得て、今回初挑戦。
果たして……
感想。
結構、楽しめました。
ストーリーはホラーっぽく、耽美っぽい?感じ。
ホラーとしても、設定自体は私の好きな部類。
ただ、キャラクターがぶっとんでる。凄すぎ……。
でも、キライじゃない(苦笑)ので、他の作品も呼んでみようかなーと。
個人的には驚愕の事実。
この人、男性だったのね……
田中芳樹初期短編集3冊。
2004年7月13日 読書ここ数日で一気読み。
愛蔵版田中芳樹初期作品集。
『炎の記憶』『緑の草原に……』『ブルースカイ・ドリーム』の3冊。
荒削りながら瑞々しい感じが好感触のSF等が良いです。
「炎の記憶」「緑の草原に……」「長い夜の見張り」「品種改良」
「戦場の夜想曲」「ブルースカイ・ドリーム」等が好み。
短編集とは関係の薄い話。
『炎の記憶』の解説を、神月摩由璃が書いているのに吃驚。
懐かしいねぇ。『ウォーロック』も「摩由璃の本棚」も。
本の紹介コーナーだった「本棚」で紹介された
神月氏の推薦本をを、図書館で探した日々を思い出します。
神月摩由璃『SF&ファンタジー・ガイド』も何処かにあるはずだよな。
実家……かなぁ。
愛蔵版田中芳樹初期作品集。
『炎の記憶』『緑の草原に……』『ブルースカイ・ドリーム』の3冊。
荒削りながら瑞々しい感じが好感触のSF等が良いです。
「炎の記憶」「緑の草原に……」「長い夜の見張り」「品種改良」
「戦場の夜想曲」「ブルースカイ・ドリーム」等が好み。
短編集とは関係の薄い話。
『炎の記憶』の解説を、神月摩由璃が書いているのに吃驚。
懐かしいねぇ。『ウォーロック』も「摩由璃の本棚」も。
本の紹介コーナーだった「本棚」で紹介された
神月氏の推薦本をを、図書館で探した日々を思い出します。
神月摩由璃『SF&ファンタジー・ガイド』も何処かにあるはずだよな。
実家……かなぁ。
佐藤洋二郎『福猫小判夏まつり』
2004年7月9日 読書表題作他全4編の中短編。
どの作品も中年(というより初老か)の男性を主人公としていて、
その日常を切り取ることで、生きることの苦しさ、
人生というモノの澱みから逃れられないもどかしさ、
そういった息苦しい感じが描かれている。
人生は取り返しがつかないモノ。
ただ漠然と齢を重ねて生きていくと、
中年になった時に己の空虚さに愕然とする……のかもしれない。
まだまだ実感はわかないけれど、どうにも重い話だ。
どの作品も中年(というより初老か)の男性を主人公としていて、
その日常を切り取ることで、生きることの苦しさ、
人生というモノの澱みから逃れられないもどかしさ、
そういった息苦しい感じが描かれている。
人生は取り返しがつかないモノ。
ただ漠然と齢を重ねて生きていくと、
中年になった時に己の空虚さに愕然とする……のかもしれない。
まだまだ実感はわかないけれど、どうにも重い話だ。
三浦しをん『私が語りはじめた彼は』
2004年7月4日 読書一人の男性を中心に据えて語られる、愛憎の連作短編。
それぞれの背景を背負い、一人の男を愛した女性達。
彼女達が語る男との「関係」、自らの感情。
男女関係と女性心理を、シリアスに深く掘り下げている。
基本が不倫話で、個人的には、かなり重い内容。
本気にわずかばかりの狂気を足した女性達の心理が、
男としては、正直、怖い。
登場する男性陣の、達観というより諦観に近い思考にも
寒々しいものを感じてしまう。
それぞれの背景を背負い、一人の男を愛した女性達。
彼女達が語る男との「関係」、自らの感情。
男女関係と女性心理を、シリアスに深く掘り下げている。
基本が不倫話で、個人的には、かなり重い内容。
本気にわずかばかりの狂気を足した女性達の心理が、
男としては、正直、怖い。
登場する男性陣の、達観というより諦観に近い思考にも
寒々しいものを感じてしまう。
恩田陸『蛇行する川のほとり』
2004年7月1日 読書3冊まとめて再読。
『六番目の小夜子』とも『麦の海に沈む果実』とも少し異なる、
青春ミステリとでも言うべき、少女達の物語。
3冊で3部構成。
3人の少女が1冊ごとに語り手を代わりながら、夏の日の10日間を語る。
それぞれの語り手が語る物語を俯瞰し、つなぎ合わせる事で物語の真相が見えてくる。
ある人はさらりと語った情景でも、別の語り手には絡み合う感情が見えている。
そして、散りばめられた思わせ振りな謎も、見事に収束して真実の物語を形作る。
個人的には、構成の上手さは恩田作品の中でも最高レベル。
加えて、文章から受けるイメージの清清しさ、清冽さも美しい。
3人の語り手には3人それぞれの真実の物語があり、
それは確かに登場人物個々人にとって、真実の物語である。
そして、読者には俯瞰者にしかわからない真実が伝えられる。
そう、各巻の冒頭に掲げられたあの言葉に嘘はない。
「今はもうない、あの蛇行する川のほとりでの少女たちの日々。
誰も知らないある物語を、今、あなただけに。」
『六番目の小夜子』とも『麦の海に沈む果実』とも少し異なる、
青春ミステリとでも言うべき、少女達の物語。
3冊で3部構成。
3人の少女が1冊ごとに語り手を代わりながら、夏の日の10日間を語る。
それぞれの語り手が語る物語を俯瞰し、つなぎ合わせる事で物語の真相が見えてくる。
ある人はさらりと語った情景でも、別の語り手には絡み合う感情が見えている。
そして、散りばめられた思わせ振りな謎も、見事に収束して真実の物語を形作る。
個人的には、構成の上手さは恩田作品の中でも最高レベル。
加えて、文章から受けるイメージの清清しさ、清冽さも美しい。
3人の語り手には3人それぞれの真実の物語があり、
それは確かに登場人物個々人にとって、真実の物語である。
そして、読者には俯瞰者にしかわからない真実が伝えられる。
そう、各巻の冒頭に掲げられたあの言葉に嘘はない。
「今はもうない、あの蛇行する川のほとりでの少女たちの日々。
誰も知らないある物語を、今、あなただけに。」
長嶋有『タンノイのエジンバラ』
2004年6月28日 読書表題作他4編の短編集。
切羽詰まっているのにどこか淡々としていたり、慌てているのにどこか醒めていたりする感じ。
登場人物の会話を重ねて、物語のディティールを深めているのは個人的に好感が持てるところ。
何だか人を食ったような話ばかりだが、それがまた良かったりする。
切羽詰まっているのにどこか淡々としていたり、慌てているのにどこか醒めていたりする感じ。
登場人物の会話を重ねて、物語のディティールを深めているのは個人的に好感が持てるところ。
何だか人を食ったような話ばかりだが、それがまた良かったりする。
梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』
2004年6月27日 読書前作『家守綺譚』で言及のあった「トルコで考古学をしている村田」が主人公。
最後の方で『家守』の綿貫氏も登場してます。
舞台は1890年末、西欧列強に狙われる帝国末期のトルコ。
主人公村田の出会った下宿人達は、国籍も宗教も言葉も違っていたが、
どこかで心が通い合い、人間としてわかりあった。素晴らしいことだ。
その関係を砕いたのは、「国家」という大きくて何だか正体のわからないモノ。
淡々とした表現の中に芯の様な力強さを感じつつ、ラストシーンではしんみり。
寂しい様な悲しい様な、何かがじんわりと染みてくる読後感でした。
最後の方で『家守』の綿貫氏も登場してます。
舞台は1890年末、西欧列強に狙われる帝国末期のトルコ。
主人公村田の出会った下宿人達は、国籍も宗教も言葉も違っていたが、
どこかで心が通い合い、人間としてわかりあった。素晴らしいことだ。
その関係を砕いたのは、「国家」という大きくて何だか正体のわからないモノ。
淡々とした表現の中に芯の様な力強さを感じつつ、ラストシーンではしんみり。
寂しい様な悲しい様な、何かがじんわりと染みてくる読後感でした。
小川洋子『ブラフマンの埋葬』
2004年6月18日 読書小川洋子『ブラフマンの埋葬』読了。
淡々と描かれる日常に思わずしんみり。
おそらく、絶賛された前作、『博士の愛した数式』と比較される運命にあるのだろうけど、
ふたつの作品のベクトルは似て非なるものだと思う。上手く言えないけど。
『博士〜』の方が印象的なストーリィだったけど、
『ブラフマン〜』もこれはこれで良いのではないかと。
明日は休みということで、調子に乗って、竹内真『図書館の水脈』に手をつける。
村上春樹『海辺のカフカ』に誘われて旅に出て、私立図書館に辿り着く話らしい(まだ途中)
『海辺のカフカ』へのトリビュートということらしいけど、
『スプートニク〜』『世界の終わり〜』にも言及してるあたり、
村上春樹へのファンレター的な印象を強く受ける。
その他にも、さまざまな書名が出てくる。小説はもとより、『東日流外三郡誌』まで(苦笑)
大型かつ強力な台風接近中。
月曜日には本土上陸かな。対策は十分にね。
淡々と描かれる日常に思わずしんみり。
おそらく、絶賛された前作、『博士の愛した数式』と比較される運命にあるのだろうけど、
ふたつの作品のベクトルは似て非なるものだと思う。上手く言えないけど。
『博士〜』の方が印象的なストーリィだったけど、
『ブラフマン〜』もこれはこれで良いのではないかと。
明日は休みということで、調子に乗って、竹内真『図書館の水脈』に手をつける。
村上春樹『海辺のカフカ』に誘われて旅に出て、私立図書館に辿り着く話らしい(まだ途中)
『海辺のカフカ』へのトリビュートということらしいけど、
『スプートニク〜』『世界の終わり〜』にも言及してるあたり、
村上春樹へのファンレター的な印象を強く受ける。
その他にも、さまざまな書名が出てくる。小説はもとより、『東日流外三郡誌』まで(苦笑)
大型かつ強力な台風接近中。
月曜日には本土上陸かな。対策は十分にね。
加納朋子『レインレイン・ボウ』
2004年6月15日 読書加納朋子『レインレイン・ボウ』読了。
しっとりとした感じが良いですねぇ。ちょっとしんみりしたりして。
個人的なハナシですが、やっぱり連作短編は良いです。
短編として読みやすく、長編のように充実した読後感が得られるので、スキです。
そんなわけで、若竹七海の『スクランブル』とかをひっぱりだしてきました(苦笑)
あれ、『僕のミステリな日常』は持ってなかったけなぁ……どこ行ったんだろ
しっとりとした感じが良いですねぇ。ちょっとしんみりしたりして。
個人的なハナシですが、やっぱり連作短編は良いです。
短編として読みやすく、長編のように充実した読後感が得られるので、スキです。
そんなわけで、若竹七海の『スクランブル』とかをひっぱりだしてきました(苦笑)
あれ、『僕のミステリな日常』は持ってなかったけなぁ……どこ行ったんだろ
加納朋子『スペース』
2004年6月13日 読書加納朋子『スペース』読了。
シリーズ1作目『ななつのこ』が1992年、2作目『魔法飛行』が1993年。
そして、3作目がようやく刊行と相成りました。
(表題作「スペース」は2000年頃にe-NOVELSとして発表されましたけど)
素直に、長かったなぁ、っていうのが感想。
確か『ななつのこ』は、北村薫の『空飛ぶ馬』へのファンレターだとか、
そんな話があったよなぁ……。10年以上も前か……
ちなみに、図書館の新刊で借りてきたんですが、
ひとり密かに「よし、加納朋子祭りだっ!」と、思い立ちまして。
「アリスシリーズ」2冊と『レインレイン・ボウ』も借りてきました。なんだかな。
シリーズ1作目『ななつのこ』が1992年、2作目『魔法飛行』が1993年。
そして、3作目がようやく刊行と相成りました。
(表題作「スペース」は2000年頃にe-NOVELSとして発表されましたけど)
素直に、長かったなぁ、っていうのが感想。
確か『ななつのこ』は、北村薫の『空飛ぶ馬』へのファンレターだとか、
そんな話があったよなぁ……。10年以上も前か……
ちなみに、図書館の新刊で借りてきたんですが、
ひとり密かに「よし、加納朋子祭りだっ!」と、思い立ちまして。
「アリスシリーズ」2冊と『レインレイン・ボウ』も借りてきました。なんだかな。
森博嗣『四季 冬』読了。
うーん、台詞回しが難解。加えて叙情的すぎてツライです。
「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」を補完する「四季シリーズ」でしたが、
個人的に一番良かったのは3冊目の「秋」ですかねぇ。
フィールドワーク中、体長2m弱(目算)の蛇と遭遇。
アオダイショウ……かな。……でけぇよ。
うーん、台詞回しが難解。加えて叙情的すぎてツライです。
「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」を補完する「四季シリーズ」でしたが、
個人的に一番良かったのは3冊目の「秋」ですかねぇ。
フィールドワーク中、体長2m弱(目算)の蛇と遭遇。
アオダイショウ……かな。……でけぇよ。
恩田陸『禁じられた楽園』
2004年6月6日 読書恩田陸『禁じられた楽園』読了。
ホラーとしての恩田節?を堪能した感じ。
冒頭から不安感を煽る描写で、どうなる?どうなる?とストーリィに引き込まれていく。
ゾクゾクではなくて、首筋の毛がチリチリする感じ。
不安と焦燥に突き動かされ、ページをめくるのが実に心地良い。ホラーの醍醐味ですな。
そうそう、登場人物の烏山響一は『三月は深き紅の淵を』にて名前が出ていたんだね。
読了後にネットでの言及を見るまで気付かなかった。
やってくれるなぁ。
ホラーとしての恩田節?を堪能した感じ。
冒頭から不安感を煽る描写で、どうなる?どうなる?とストーリィに引き込まれていく。
ゾクゾクではなくて、首筋の毛がチリチリする感じ。
不安と焦燥に突き動かされ、ページをめくるのが実に心地良い。ホラーの醍醐味ですな。
そうそう、登場人物の烏山響一は『三月は深き紅の淵を』にて名前が出ていたんだね。
読了後にネットでの言及を見るまで気付かなかった。
やってくれるなぁ。