おかげさまで3巻目!!
累計20万部突破のベストセラー第3弾登場!!
特製パペマペシール付き!!
★=1.0
いつのまにやら3巻目。
最近テレビではコントを見ないなぁ。(後の方で映ってはいるけど)いちおう、営業とか連載とか仕事はやってるようなので、このまま消える…ことはないと信じたい。
身振り手振り付ではしゃぎまくるウシとカエルを、また見たいなぁ。
ホント、あんな風に動かすのは難しいんだから。(付け焼刃実演済み)
真ん中の人、すごいよなぁ………黒い人などいないッ(笑)
ときに愚かしくも愛しい“人間”を描く、胸に迫る長編
地方の未来を真面目にわらう!!
過疎の町を再生しようと悪戦苦闘する元若者たちが仕掛けた策とは……?UFOで町おこし!?
★★=1.5
まさに、町おこし狂想曲。いまは寂れたかつての観光地で中年たちが起死回生の町おこしだが、思わずあきれてしまうほど、バカバカしい。自暴自棄から暴走しだした中年たちの行動は、犯罪すれすれどころか立派な犯罪行為にまで暴走。読んでいて思わず、あぁ、やっちゃったと嘆息。
企画力のない補助金行政の役場。かつての栄光にしがみつき、責任転嫁しつつ殿様商売をする老人達。過疎がすすみ、収入も減っていく現実。
地方の現実がコミカルに描かれ、悲壮感漂う喜劇といった風。
あの日、草むらの秘密基地で交わした二人だけの約束。僕はずっと忘れない…。二度と還らない季節を描く。
★=0.5
主人公の台詞回しに激しく違和感を感じた一冊。
語尾がすべからく「〜のさ……」などとなっているのに我慢できず。
ストーリー展開はありがちといえば、ありがち。
主人公とその親友、女友達との青い関係や、まだ若い女性教師や主人公の母といった、大人の女性に主人公が抱く想い。まさに青春と呼べるかもしれない。しかし、作り物じみた感じに加えて、作者の陶酔感まで感じ取ってしまい、どうにもクサくてツマラナイ物語に思えた。どうやら、私とは相性が悪かったようだ。
女性を狙った殺人事件が連続して起こった。同一犯が疑われるが、動機が見いだせない。
警視庁捜査一課の新人刑事・椎名梨枝は、この事件を予見するかのような小説が出版されている事実を突き止める。犯人は小説を模倣したのだろうか。
梨枝とその友人・祐天寺美帆が、奇怪な事件の謎に挑む!
赤い靴下を履いた被害者は、誰になぜ、殺されたのか!?
★=1.0
ISBN:4652077114 単行本 理論社 2002/05 ¥1,575
男子校のバンカラの伝統が残る都立辰川高校に入学した上田ヒロミは、女子を疎外する居心地の悪さを学校生活の中で感じるようになっていた。そんな折り、合唱コンクールで指揮をしたカリスマ女生徒が出現し、次々と事件が…。
★★=2.0
恩田陸『六番目の小夜子』といい、私にとっては「この手の学園モノ」がかなりツボ。高校生の青春を描きつつ、少しホラー、少しミステリな物語には滅法弱いのであった。

残念ながら物語の真相、全容は語られていないが、本来、そうミステリ要素に重きを置いた作品にはなっていないのであまり気にはならない。むしろ、その不透明な感じが、物語に巻き込まれ、そして物語の終結とともにとり残された主人公の姿を如実に描き出していると思う。
ちなみに、主人公は既刊『これは王国のかぎ』と同一人物になっている。
第32回メフィスト賞受賞のホラーミステリ。幸せな家庭の主婦には妹にも言えない秘密があった。新興住宅地で全身に紫色の瘤が出来て死亡する奇病が発生する! 失踪した主婦の行方は?
★★=1.5
寄生虫によるバイオホラーとミステリが巧くブレンドされている。
ぞわぞわする虫の描写も秀逸だが、ミステリっぽい全体構成は実に良く出来ている。内容は濃いが、もう少しページがあっても良かったのではと思わせる。過去の事件について、人物描写についてはもっと細かく濃く書いても良かったのではないだろうか。
スプラッターな描写こそ無いものの、首筋やお尻がむずむずすること請け合いの一冊。
忘れていたかった。忘れたくなかった。そして夜会が始まる―。記憶の底に隠蔽された殺人を追う、本格推理長編小説。
★=1.0
中年の主人公が同窓会に参加し、小学校時代の思い出話を語るうちに、記憶の奥底に沈めた暗い記憶を思い出す、という、よくあるストーリー展開。
同級生間の記憶の齟齬、思い込み、事実の誤認により、二転三転する推理が面白い。死んだと思っていた人物が生きていたり、皆が覚えていない同級生がいたり。記憶とは、自分に都合が良いように改変されているもの。私にも、忘れたくて封印した暗い記憶があるのかもしれない。
“奇跡の男”八木剛士の周辺で何故か頻発する怪事件。女子高生の首吊り死体が発見され、無差別放火事件が連続する。世の中を恨み続けて生きてきた剛士が、唯一出会った理解者・松浦純菜と事件を調べるうちに、ある一人の男に辿りつく。孤独に徹しきれない剛士の心に芽生える複雑な思いを、青春ミステリの先覚者、浦賀和宏が切なく描く!!
★=0.5
『松浦純菜の静かな世界』の続編。
「青春ミステリ」が何を指すのかわからないが、ミステリとしての目新しさは無い。むしろ、八木がいかにいじめられてきたか、そしていかに世界を憎んでいるかの鬱々とした表現に力が入っている。「力」(と呼ばれるもの)の存在も曖昧で、いまひとつ方向性が定まっていない印象も受ける。

前作の「グフパンチ」に続き、今回もガンダムネタが複数ある。
それも含めて、発想がイタくて独善的な八木剛士はかなり酷いキャラクター造詣であるが、それはそれでリアリティがあるのだろうか。
親の夜逃げのために高校進学を諦めた照代。そんな彼女の元に差出人不明のメールが届き、女の子の幽霊が…。謎が解ける時、照代を包む温かな真実が明らかになる。不思議な町で暮らし始めた照代の日々を描く癒しと再生の物語。
★★=2.0
既刊『ささらさや』の続編、あるいは姉妹本とも言うべき作品。
共通の舞台、共通の登場人物を懐かしく思いながら、主人公・照代が身の不幸を嘆く、その生活を読んでいく。今後も「佐々良」シリーズ?として展開されるのだろうか。

無責任な両親のこと、高校進学は叶わず、田舎町で肩身の狭い思いをする照代の生活を読むと、その境遇を不憫に思いつつ、いかに自分が恵まれていたのかを実感する。
照代も町の人々の優しさ、温かさに触れ、次第に人間として大きな成長を始める。ミステリ的要素は薄いが、単なるハッピーエンドでも、悲しい物語でもない、成長と再生の物語を感じることが出来る。
物語で描かれる世界は、優しくないし、手放しでハッピーな終わり方でもない。それでも、そこに描かれているのは、人の優しさと温かさである。
消えた肖像画、失踪した令嬢、石造の右腕だけが後に残され、遺言書を入れた風変わりな箱は持ち去られた―。稀代の天才レオナルド・ダ・ヴィンチが不可解な謎、奇妙な事件に挑む。そして待ち受ける運命は?
★★=1.5
副題に「15世紀末、ミラノ、レオナルドの愉悦」。
レオナルド・ダ・ヴィンチを探偵役に据えたミステリ。
まだ老境には程遠いレオナルドの偏屈ぶりと、天才ぶりが余すところなく描かれている。自らの工房で話を聞いて顛末を示唆する安楽椅子探偵ぶりも、現在に伝えられるレオナルド像に見事に当てはまる。現場に着く前に事件の全容を理解している点など、その天才ぶりはシャーロック・ホームズの物語のような洗練された味がある。
王宮付楽師兼画家であるレオナルドの立場もあり、上流階級の方々が多く登場する。漢字に振られたのカタカナのルビ(イタリア語?)も雰囲気を高めるが、長ったらしい名前が多くて登場人物に慣れるまで少し混乱。
師匠・水木しげるに始まり、養老孟司、中沢新一、宮部みゆき、夢枕獏、大塚英志、高田衛、小松和彦、西山克、唐沢なをき……怪異をこよなく愛する様々なジャンルの15人と日本について、妖怪について語り尽くす。
★★=2.0
「妖怪」について語り倒した対談集。相手に合わせて話のジャンル?を変えられる京極夏彦の抽斗の多さには脱帽。その内容は妖怪学はもちろん、民俗学や昭和史、近世文学論まで多岐にわたり読み応えの在る1冊。じっくり腰を据えて読むに値する内容。
後ろ向きに歩けば、景色がちょっと違って見えるかも…。結婚しても、夫婦は他人。心の中では別のことを考えている。距離があるからこそ見えてくる、リアルだけれどユーモラスな男と女の物語。
★★=1.5
短編集。3編を収録。どこかしら奇妙な、3組の夫婦を描いている。
どの話も妻の目線から夫を眺めている。生活の中でふと足を止めて、まじまじと夫というものを見つめてみる感じか。女性心理はどうにもつかみ所が無いものかもしれないが、どの話でも、そんな男のどこが良かったの?と聞かずにはいられない。それに答えるかのように、妻たちは「後ろ向きで」歩いて、少し違った景色を見て、次の一歩を踏み出すのだろう。
常連客の死、少女誘拐、女子高生恐喝…。次々起きる難題を処理するため、ホストクラブ「club indigo」のオーナー・晶とメンバーたちが渋谷の街を奔走する。爽快でクールな探偵物語。第10回創元推理短編賞受賞作。
★★=1.5
「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」――ということで始まったクラブ「indigo」が幾つかの事件に巻き込まれていく、というストーリー。4編を収録。
登場人物に躍動感があり、スピーディーなストーリー展開を楽しめる。読者は事件に対応する「indigo」のメンバーとともに渋谷の街を走り、事件の顛末を知ることになる。その点ではミステリではなく、探偵小説と呼ぶにふさわしい作品。渋谷の街の描写は結構細かいようなので、渋谷を良く知る人にとってはプラス・アルファの面白みがあるかもしれない。
読んでいる間の疾走感と読後の爽快感が心地よい良書。
大学院生・佳那の「どきどき」かつ「ミステリィ」な日常。
窪居佳那は大学院のドクターコースに在籍中。指導教官である相澤助教授に密かに憧れを抱いている…と思っているのは本人だけで、助教授の前で佳那が挙動不審になることは講座の全員が気付いているのだが……?
★=1.0
ミステリ風味のラブコメといった感じだろうか。まさか森博嗣にラブコメが書けるとは……

主人公のドキドキがあまり伝わってこないのは、私が男性だからだろうか。微笑ましいと思える以上に、「イタい女性」に見えてしまう。規則的で充実した日常を打ち破る予想外の出来事。アクシデントでもトラブルでもなく、イベントと呼びたくなるような出来事。そういったものにドキドキするという感じは理解するが、主人公の暴走ぶりとエンディングは、あまりに短絡的に見えないだろうか。思わずツッコミを入れたくなってしまったあたり、読者を物語りに引き込むパワーは十分。
そして、読後感はなぜか爽やか。
★ナシ。
「挿絵の無い電撃文庫」ということで、「衝撃の問題作!」らしいのだが、普段挿絵の無い本を読み慣れている身にすれば、どうと言う事はない。ある意味では、目録等に著者名とイラストレイター名を列記するイマドキのライトノベルならではの煽りといえるだろう。

肝心の内容については、現代世界が舞台だが、設定の説明が上手くなされていない。特に登場人物については、消化不良気味の感がある。作者の意図した、本作の「味」なのかもしれないが、予定調和的展開と相まって違和感が否めない。全体を通じて人間の内面、暗い感情の部分を描き出しているが、ストーリー展開的には平板で目新しさに欠ける。
確かに電撃文庫(というか、ライトノベル全体)しか読まない読者層にとっては、「衝撃の問題作!」かもしれないが、それ以外の読者にとっては、あまり印象に残るような作品ではないと思われる。本書が電撃文庫で刊行されたことは、驚きに値するが、他のレーベルだったら対してニュースにならないのでは。
ファミレス常連客のあの老人。でも公園のベンチで見かけるときとあまりに印象が違うのはなぜ?ファミリーレストラン「ロンド」を舞台に描く、犬と老人と21歳の女の子が挑むミステリー。
★=1.0
痴呆気味の老人とファミレス店員の女性。
ミステリの探偵役としては、あまり絵にならない構図だが、キャラクターの魅力にあふれていて、どんどん物語りに引き込まれていく。

「いつだって悪意はすれちがうほど側にいる」、確かにそうだ。そして、気付かないほど沢山の善意も側にある。著者の作品には(ミステリでありながらも)、人間の温かさや優しさを描き出した作品がある。本書も、じんわり胸に染みるあたたかなミステリである。
人間って、空から墜ちてきたものかもしれない。それじゃあ、死んだら、上がっていく?――戦いを生きる子供たち。著者渾身のシリーズ第三弾
★★=1.5
『スカイ・クロラ』『ナ・バテ・ア』に続くシリーズ3作目。
相変わらず綺麗な装丁の本。
現実感の無い地上の日常と、嬉々として戦闘機を駆る空中。
疑問も苦悩もなく戦闘機を飛ばした日々から、少しずつ世界の動きに飲み込まれていく。
遣る瀬無さ、悲哀、切なさ。ネガティブなイメージの感想が混ざりあい、孤高の悲壮感とでも言うべき読後感を与える。

1作目『スカイ・クロラ』はイマヒトツな感じだったが、2作目で色々なことがわかり、すごく面白くなってきた。続刊が待ち遠しい。
「やっぱり、この瓶が一番だ」ひと気のないロンドンの美術館で南宋の青磁に魅せられた著者は、イギリス留学して美術史を学び、ついに欧州屈指の古美術商スピンクに職を得る。変人一歩手前の大富豪コレクターたち、華やかなアンティックス・フェア、貴族の館のオークション、ガンダーラ美術の世界的権威の壮絶な死など、英国人気質を垣間見ることのできる、極上の自伝的エッセイ。
★★=1.5
実家から借りてきた本。仕事の合間、昼休みに少しづつ読んでようやく読了。
骨董ブームの昨今、骨董入門の書籍等もあるが、本書はそういった骨董関連の実用書ではなく、骨董エッセイとしての良書である。
ロンドン、大英帝国の中心を担った街で、骨董に関わった著者だから書ける、英国気質、イギリスという国を描き出した一冊。

かつて世界を席巻した大英帝国という歴史、その気風を受け継ぐ「イギリス人」という人々。その「イギリス人」とともに著者がドライに、あるいは愛情を込めて、そして時には非難めいて描きながらも、第二の故郷と呼ぶ街、ロンドン。
私も、一度はその骨董街を歩いてみたい。
飛び降り自殺とされた男性死体の額には「θ(シータ)」と描かれていた。半月後には手のひらに同じマークのある女性の死体が。さらに、その後発見された複数の転落死体に印されていた「θ」。自殺? 連続殺人? 「θ」の意味するものは? N大病院に勤める旧友、反町愛から事件の情報を得た西之園萌絵らの推理は……。好調Gシリーズ第2弾!
★★★=2.5
ようやく読めたGシリーズ2巻。作品自体にシリーズ名が明記されたのは初めてではないだろうか。ギリシャ文字だからGシリーズ。果たして何作続くのだろうか。

まさに私が希望する森博嗣の作品。Vシリーズは好きになれなかったが、S&Mシリーズに近い感じになってくれて、本当に良かった。
ミステリではあるが、「犯人がなぜ、どのように、事件を行ったか」よりも、事件に関する人々の考察に重きを置いているような印象がある。文章を捏ね繰り回さず、スパッと端的に表現する文体は小気味良い。

この事件はこれで完結しているが、登場人物など次巻へのヒキがあるのはS&MよりもVシリーズに近いか。次作「τ(タウ)になるまで待って」を楽しみに待とう。
人は変化する世界を言葉によって把握する。どんな状況においても、言葉を媒介に誰かと繋がっていたいと願う…。語られることによって生き延びてきた物語である「日本昔話」を語り変えた書下ろし7編を収録。
★=0.5
直木賞候補作。
現代に「昔話」が生まれたらと考え、7つの日本昔話を語り変えた作品群を収録。各話の冒頭にはベースとなった昔話のダイジェストが記されているが、そのダイジェストぶりがすごい。余分な装飾を省いて、物語の筋を淡々と記している。その昔話をベースにして書かれた作品群であるが、いまひとつベースの昔話との接点が見出しづらい。なんとなく、イメージ上では類似性を認められるが、どの部分がどの要素を表現しているのか判別しがたい。
「語り変えた」という表現に拘らず、単純に昔話をイメージした短編集として読めば良かったのか。

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