どんな職場にも忙しい時期と暇な時期がある。珍しいことに南方署は暇だった。圭司がここに配属されてから既に三ヶ月。同僚の黒岩から、いきなり文庫本を渡されページを開けという。真中あたりを開くと89ページ、八+三でインケツ、會川くんの負けといわれてしまう。なんとオイチョで四人分のジュースを買いに行かされるはめに。いまやヘタレだけでなく、パシリにされています。そんな時に事件は起こった。東中島で強盗、家にいた姉妹に刃物をつきつけて脅し、二万円を奪取。でも、それだけじゃない。可愛がっていたチワワも攫われたという。事件はそのままになったかと思われたが、二ヶ月後、思わぬところから顔を出したのだった!
★☆=1.5
南方署強行犯係シリーズの第2巻。
犯人候補の登場人物が少なく、ミステリとしてはやや弱い。しかし、物語に内包される「動物虐殺」とでも呼ぶべきテーマは大きく、重い。そのテーマをコミカルなストーリーにのせて描き出す筆者の実力はさすがである。

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