ISBN:4652077114 単行本 理論社 2002/05 ¥1,575
男子校のバンカラの伝統が残る都立辰川高校に入学した上田ヒロミは、女子を疎外する居心地の悪さを学校生活の中で感じるようになっていた。そんな折り、合唱コンクールで指揮をしたカリスマ女生徒が出現し、次々と事件が…。
★★=2.0
恩田陸『六番目の小夜子』といい、私にとっては「この手の学園モノ」がかなりツボ。高校生の青春を描きつつ、少しホラー、少しミステリな物語には滅法弱いのであった。

残念ながら物語の真相、全容は語られていないが、本来、そうミステリ要素に重きを置いた作品にはなっていないのであまり気にはならない。むしろ、その不透明な感じが、物語に巻き込まれ、そして物語の終結とともにとり残された主人公の姿を如実に描き出していると思う。
ちなみに、主人公は既刊『これは王国のかぎ』と同一人物になっている。

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