西澤保彦『夏の夜会』
2005年8月27日 読書忘れていたかった。忘れたくなかった。そして夜会が始まる―。記憶の底に隠蔽された殺人を追う、本格推理長編小説。★=1.0
中年の主人公が同窓会に参加し、小学校時代の思い出話を語るうちに、記憶の奥底に沈めた暗い記憶を思い出す、という、よくあるストーリー展開。
同級生間の記憶の齟齬、思い込み、事実の誤認により、二転三転する推理が面白い。死んだと思っていた人物が生きていたり、皆が覚えていない同級生がいたり。記憶とは、自分に都合が良いように改変されているもの。私にも、忘れたくて封印した暗い記憶があるのかもしれない。
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