加藤実秋『インディゴの夜』
2005年8月17日 読書常連客の死、少女誘拐、女子高生恐喝…。次々起きる難題を処理するため、ホストクラブ「club indigo」のオーナー・晶とメンバーたちが渋谷の街を奔走する。爽快でクールな探偵物語。第10回創元推理短編賞受賞作。★★=1.5
「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」――ということで始まったクラブ「indigo」が幾つかの事件に巻き込まれていく、というストーリー。4編を収録。
登場人物に躍動感があり、スピーディーなストーリー展開を楽しめる。読者は事件に対応する「indigo」のメンバーとともに渋谷の街を走り、事件の顛末を知ることになる。その点ではミステリではなく、探偵小説と呼ぶにふさわしい作品。渋谷の街の描写は結構細かいようなので、渋谷を良く知る人にとってはプラス・アルファの面白みがあるかもしれない。
読んでいる間の疾走感と読後の爽快感が心地よい良書。
コメント