森博嗣 『どきどきフェノメノン』
2005年8月15日 読書大学院生・佳那の「どきどき」かつ「ミステリィ」な日常。★=1.0
窪居佳那は大学院のドクターコースに在籍中。指導教官である相澤助教授に密かに憧れを抱いている…と思っているのは本人だけで、助教授の前で佳那が挙動不審になることは講座の全員が気付いているのだが……?
ミステリ風味のラブコメといった感じだろうか。まさか森博嗣にラブコメが書けるとは……
主人公のドキドキがあまり伝わってこないのは、私が男性だからだろうか。微笑ましいと思える以上に、「イタい女性」に見えてしまう。規則的で充実した日常を打ち破る予想外の出来事。アクシデントでもトラブルでもなく、イベントと呼びたくなるような出来事。そういったものにドキドキするという感じは理解するが、主人公の暴走ぶりとエンディングは、あまりに短絡的に見えないだろうか。思わずツッコミを入れたくなってしまったあたり、読者を物語りに引き込むパワーは十分。
そして、読後感はなぜか爽やか。
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