森博嗣『θは遊んでくれたよ』
2005年8月6日 読書飛び降り自殺とされた男性死体の額には「θ(シータ)」と描かれていた。半月後には手のひらに同じマークのある女性の死体が。さらに、その後発見された複数の転落死体に印されていた「θ」。自殺? 連続殺人? 「θ」の意味するものは? N大病院に勤める旧友、反町愛から事件の情報を得た西之園萌絵らの推理は……。好調Gシリーズ第2弾!★★★=2.5
ようやく読めたGシリーズ2巻。作品自体にシリーズ名が明記されたのは初めてではないだろうか。ギリシャ文字だからGシリーズ。果たして何作続くのだろうか。
まさに私が希望する森博嗣の作品。Vシリーズは好きになれなかったが、S&Mシリーズに近い感じになってくれて、本当に良かった。
ミステリではあるが、「犯人がなぜ、どのように、事件を行ったか」よりも、事件に関する人々の考察に重きを置いているような印象がある。文章を捏ね繰り回さず、スパッと端的に表現する文体は小気味良い。
この事件はこれで完結しているが、登場人物など次巻へのヒキがあるのはS&MよりもVシリーズに近いか。次作「τ(タウ)になるまで待って」を楽しみに待とう。
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