「じゃ、回り道してやろうぜ。どうせこの世の全てが回り道なんだ」6台のクルマをめぐる、回復と喪失の物語。車好きの楽しめる小説。さらに書下ろしエッセイ、徳大寺有恒との対談も収録。
★=1.0
登場人物は、38歳の独身女性と40歳の元恋人、6台の外国車。車には全然詳しくないが、純粋に物語として惹きこまれる内容。車に詳しい人にはさらに+アルファのシンパシーが得られるのだろうか。

登場人物の二人にとって、「クルマ」とは700万円以上のものを指すらしい。……この時点で、すでにお呼びじゃないな。
車を移動手段としか見ていない私にとって(田舎=自家用車必須)、この本に出てくるような「クルマ」を買うことはないだろうなぁ。フィアット贔屓の人に「イタリア車に乗ると我慢することを覚える」っていわれても。ねぇ。

エッセイで綴られる、会社員時代の商用車カローラバンへの愛情を見るに、この作者は本当に車が好きなんだろうなと、思う。

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