恩田陸『『恐怖の報酬』日記』
2005年5月31日 読書祝、第26回吉川英治文学新人賞受賞!第2回本屋大賞受賞!初のエッセイ集、受賞後第1作。イギリスとアイルランドにはとても行きたい。だが、飛行機には乗りたくない。いよいよ迫ってきた搭乗時間に、廊下を歩いていった私はそこで完全に立ち止まってしまった。そこには、大きな窓があった。そして、その外には、大量のあの乗り物が蠢いていたのである。ひえー、あんなにいっぱいあの乗り物がっ。信じられないっ。オーマイガッ。空港なんだから当たり前だが、博多でも羽田でもこんなに沢山の飛行機を見たことはなかったのだ。さーっと全身から血が引いて、抜けた。私は完全に思考停止に陥った。…(本文より)★★=1.5
「酩酊混乱紀行」と題された、恩田陸の紀行本。
飛行機は怖いが外国には行きたい。恐怖を紛らわすために取り留めない妄想が湧いてくる。この妄想が本や映画のネタテンコ盛りで実に面白い。著者ならではの紀行文も実に良い。恩田陸ファンでなくとも、十分に楽しめる内容である。
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