北の街に暮らす高校生の僕は、白い闇に包まれた深夜の公園で、雪と戯れる少女と出会う。それから八年。都会の生活と大人の社会からはみ出してしまい逃げるように帰郷した僕は、雪夜の公園であの時のままの少女と再会する……。『四日間の奇蹟』の浅倉卓弥が贈る、心暖まる現代のフォークロア。
★★=2.0
物語に力がある。淡々とした語り口の中に、読者を引き込んで離さない力強さがある。少年から青年へと変わり「社会人」となった主人公の迷いや葛藤などが生き生きと描かれている。
ファンタジックな部分はあるものの物語に派手な展開はなく、やや冗長な感じも否めないが、しっとりとした読後感の残る良作。

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