密室状態の袋小路で殺された富豪の手から、森江春策の元に巡りめぐって持ち込まれた不思議な書物には、異なる時代の六篇の物語が様々な言語で綴られていた。三百年に及ぶ書物の謎が解き明かされるとき、莫大な遺産をめぐる不可能犯罪の真相が浮かび上がる。東方綺譚、海洋活劇、革命秘話&中華幻想、秘境探検、ウェスタン、航空推理―時代・場所・ジャンルをそれぞれ変えて構築された驚愕の連鎖長篇。(Yahoo!books)
★★=1.5
多彩な物語へのオマージュ的な内容に満ちた一冊。
各話には小さな謎がひとつ含まれているが、ミステリとしてはイマイチ。冒険活劇等に対する作者の憧憬を楽しむのが良いかもしれない。ミステリとしての完成度を求めなければ、各話は純粋に楽しめる内容である。歴史的背景に裏打ちされた面白みがあるため、歴史マニアはさらに楽しめるだろう。
ミステリ的な部分は、プロローグ・エピローグ的な名探偵・森江春策の登場編で摂取。

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