恋愛函数とは、男女間の相性を数学的に現したGP値を求める数式。この理論を用いて経営されていた結婚相談所で、紹介者間の殺人事件が発生。GP値が高いカップルは最高の相性のはずだが……
ストーリー展開自体は特に入り組んではいないのだが、文章が冗長で、展開についていけなくなる。とくに恋愛函数の解説は冗長。フィクションとしてそういうものがある、とせずに理論に対するリアリティを求めた結果だろうが、読みづらさに拍車をかけている印象を受けた。
エンディングはあまりすっきりとしない。登場人物のほとんどが事件に関わりながらも(危険な目にあってもいるのに)、どうにも第三者的というか、傍観者的で真相に手が届かない。読後感としては爽快感に欠ける。

恋愛函数が(函数と言いながら)、数学的理論ではなく、データ収集からくる統計であったというのも、やや興ざめ。

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