映画「雨よりせつなく」の原作。映画は未見。
大人の恋愛を描いた表題作ほか全6作。
大人の恋愛とは、ドロドロの愛憎劇ではなく、切なく悲しい、思い出に残るような恋。これについては、あとがきで滔々と語られており、本書の味は「恋というひとつの出来事が与えてくれた喜びやつらさを、人生に美しく反映させていけるようになる。それこそが、大人になることの醍醐味なのだと思う」という筆者の言に要約されているように思う。

男としては、女性心理の妙に首を傾げる部分もあるが、それはそれで、女性が描く女性が主人公の恋愛物語として味があるといえよう。

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