ごめんねといってはいけないと思った。「ごめんね」 でも、いってしまった…。恋をめぐる心のふしぎを描く小説集。「泣かない女はいない」「センスなし」に加え、カヴァー裏に掌編「二人のデート」を収録。
泣かない女はいない。作中で歌われるボブ・マーリーの「NO WOMAN NO CRY」のこと。長嶋有は日常の心情を淡々と書き出すのが巧い作家だと思う。「センスなし」も、だからどうした!それからどうするの?と言いたくなる内容だが、作者の手にかかると、しんみりと心に染みる文章になるから不思議だ。
カバー裏(!)に記された「二人のデート」は、内容よりもカバー裏に短編?をという発想に驚き。

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