ホテルを舞台に20人の作家が描く物語
ホテル・サンシャイン…人はそれを「黄昏ホテル」と呼ぶ。人気を誇ったホテルも今は見る影もない。そのホテルのある時代、あるひと時の人間ドラマを、ホテルの風景とともに描く。アンソロジー巨編。
どこかにある黄昏のホテルをモチーフにした競作アンソロジー。同様の作品に「異形コレクション」の『グランドホテル』(廣済堂文庫)『夏のグランドホテル』(光文社文庫)があり、テーマもほぼ同一であるため、二番煎じの感が否めない。

作家陣は、篠田真由美、早見裕司、浅暮三文、森奈津子、近藤史恵、小森健太朗、笠井潔、田中哲弥、久美沙織、雅孝司、二階堂黎人、野崎六助、加納朋子、太田忠司、黒田研二、山田正紀、牧野修、我孫子武丸、田中啓文、皆川博子、と豪華な顔ぶれ。ホラーのみならず、ファンタジーやミステリ?もあり、読みごたえはある。

今回のイチオシは、加納朋子「セイムタイム・ネクストイヤー」。
物語に深みがあり少し切ない読後感だが、もっとも「ホテル」らしい物語に思えた。

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