ドライな仕事ぶりでは右に出る者のない古郷聖司は、傭兵組織の仲介で、建設中のベーリング海峡ダムをソ連反体制組織の手から守るよう依頼を受ける。「コーリャ」という謎の男に、妻を射殺されたKGBのマリノフは仇討ちの炎を胸に捜査を開始する。二人が出会った時、大策謀が明らかになった。アクション描写も冴える超人気作家、初期の冒険巨編。
田中芳樹の処女長編。初刊行は1986年(徳間文庫)で、1998年(幻冬社)版もあり。上記の惹句はAmazonの幻冬社版から。

タフで陽気な傭兵崩れの主人公、一本芯が通ったヒロインと、登場人物がいきいきとしていて、純粋に読んでいて楽しい。物語のテンポも良く、一気に読めてしまう。まさにエンターテイメント。派手さは無いが、良い仕事してる。

最近の著者は、政治家とか官僚とかに作中で文句言ってばかりなので、またこの手の爽快感ある物語を書いて欲しい。

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