正式タイトルは『快傑!トリック・スターズ−怪盗右京からの挑戦状』著者名は、きりさきりょうき と読む。以前、「霧咲遼樹(きりさきりょうき)」名義で活躍した人物である。私は『眠り姫は魔法を使う』に始まった一連のシリーズのファンだった。個人的には、筆名は前の漢字の方が好みだったなぁ。
名探偵・天神影太郎の末裔、天神智影。天才的頭脳と愛くるしい容姿を持つ15歳のお嬢様探偵―のわりにヒドい天然ボケの彼女の元に一通のビデオレターが届く。映っていたのは、紅茶色の瞳輝くハーフの美少年と金髪碧眼のメイド服小女。その少年、右京こそ影太郎の宿敵・伝説の怪盗の孫であった!!曰くありげな豪華客船上での対決を宣言する彼に、智影は天神一族きっての銃器スペシャリスト・巳夜、フツーの少年・咲一と共に船上の人となるのだが…。
このように、いかにもな設定であるが、見かけの軽さだけにとどまらず、骨太のストーリー、ミステリ要素、文章力の妙など、氏の実力が遺憾なく発揮されている。
表紙に抵抗がない方は、ぜひご一読を。

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