悲しみと苦しみに満ちた傑作サスペンス。少年時代、遊び仲間だったジミー、ショーン、デイヴ。あるときデイヴが車で連れ去られ、性的虐待を受けて帰って来る。それから25年後、ジミーの娘が何者かに殺され、同じ夜、血まみれで帰宅するデイヴ。刑事になっていたショーンが事件を担当することになり、3人の運命が改めて交錯する。
ミステリ調サスペンス。
真犯人は?真実は?とストーリーに引き込まれるものの、全体に流れる暗さにはやや辟易。最後まで暗く影を落とす、この暗さが本作の味でもあるのだろう。
後半、ミステリ調は影をひそめ、人間ドラマ色が濃くなって、つらく後味の悪いエンディングへ。この物語ならこの終わり方で納得なのだけど、陰鬱さに気が滅入る。ハッピーエンドになりえないのは良く判るのだが……、もう少し、浄化とか救済とかが感じられても良かったのでは……
ストーリーは(やや展開が読めるものの)良く出来ており、役者の演技も巧い。全体的に質の高いサスペンス・ドラマ。

コメント