在野の研究者による古代史解読。
副題に「独自の方法で歴史年表を読み直す」とある。
各章をバラバラに読んでいたが、ようやく読了。
序盤では歴史資料から古代史を読み解いていく。
資料を付き合わせ、考察を加えていくスタイルには好感が持てる。
また、記年法への考察もあり、なるほど「独自の方法で歴史年表を読み直す」か、と思わせる。
残念ながら、タイトルに沿っているのはここまで。
中盤は日本文化論に言及したかと思えば、後半では戦争体験と感想を述べる。
しかも、皇国史観が色濃く圧し掛かるような表現である。

歴史愛好家のエッセイを思わせる後半はともかく、序盤の思考法は興味深い。
内容的には、「第2章 稲作の源流は江南から」「第3章 天孫降臨神話の源流」等が楽しめた。「第11章 天皇とは」「第12章 国、やぶれて山河あり」「第13章 昭和天皇とダグラス・マッカーサー」あたりについては、本の趣旨が違ってきているとしか思えない。

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