鳥飼否宇『太陽と戦慄』
2004年11月18日 読書「導師」と名乗る男に拾われたストリート・キッズたちはロックバンドを結成する。そして10年後、大規模な惨事の現場に残される、かつてのメンバーの死体と動物の玩具。玩具には何の意味があるのか?そして犯人は誰なのか?
紹介文の煽りっぷりが良かったので、引用。
カルト宗教(?)の内面を描いている中盤までは、ミステリらしさは微塵もなく、「導師」のイカレっぷりと少年達のコワレっぷりに終始する。
全然ミステリらしくはないのだが、読者を飽きさせない筆力がある。
そして、殺人事件が発生する中盤から終盤にかけて、物語は一気にミステリ調に。惨劇に添えられた玩具の意味や真犯人の姿など、前半の描写が巧みに生きてくる構成は素晴らしい。
狡猾な犯罪者も難解なトリックもなく、ただただカルト教団。という印象を受ける不思議なミステリ。
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