明治以降の日本の怪談から24作品を選んで編まれた短編集。
岡本綺堂「蟹」(1926年)から、渡辺啓介「壁の中の男」(1998年)まで、多彩な怪談が選ばれている。小泉八雲、江戸川乱歩、眉村卓、都筑道夫などの古き良き怪談とともに、小池真理子、鈴木光司、星新一、筒井康孝、半村良、村上春樹、高橋克彦らの作品も収録されている。

一貫して、人の情念が暗く凝ったような、おどろおどろしい作風が選ばれているが、編者の好みは脇に置いておいても、これこそが「ジャパニーズ・KWAIDAN」なのだろう。
また、作品と作品の間には、たなかしんすけのイラストが挿話され、作品と作品の橋渡しをするとともに、ひとつのストーリーを成している。
読みごたえある一冊。

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