恩田陸『蛇行する川のほとり』
2004年7月1日 読書3冊まとめて再読。
『六番目の小夜子』とも『麦の海に沈む果実』とも少し異なる、
青春ミステリとでも言うべき、少女達の物語。
3冊で3部構成。
3人の少女が1冊ごとに語り手を代わりながら、夏の日の10日間を語る。
それぞれの語り手が語る物語を俯瞰し、つなぎ合わせる事で物語の真相が見えてくる。
ある人はさらりと語った情景でも、別の語り手には絡み合う感情が見えている。
そして、散りばめられた思わせ振りな謎も、見事に収束して真実の物語を形作る。
個人的には、構成の上手さは恩田作品の中でも最高レベル。
加えて、文章から受けるイメージの清清しさ、清冽さも美しい。
3人の語り手には3人それぞれの真実の物語があり、
それは確かに登場人物個々人にとって、真実の物語である。
そして、読者には俯瞰者にしかわからない真実が伝えられる。
そう、各巻の冒頭に掲げられたあの言葉に嘘はない。
「今はもうない、あの蛇行する川のほとりでの少女たちの日々。
誰も知らないある物語を、今、あなただけに。」
『六番目の小夜子』とも『麦の海に沈む果実』とも少し異なる、
青春ミステリとでも言うべき、少女達の物語。
3冊で3部構成。
3人の少女が1冊ごとに語り手を代わりながら、夏の日の10日間を語る。
それぞれの語り手が語る物語を俯瞰し、つなぎ合わせる事で物語の真相が見えてくる。
ある人はさらりと語った情景でも、別の語り手には絡み合う感情が見えている。
そして、散りばめられた思わせ振りな謎も、見事に収束して真実の物語を形作る。
個人的には、構成の上手さは恩田作品の中でも最高レベル。
加えて、文章から受けるイメージの清清しさ、清冽さも美しい。
3人の語り手には3人それぞれの真実の物語があり、
それは確かに登場人物個々人にとって、真実の物語である。
そして、読者には俯瞰者にしかわからない真実が伝えられる。
そう、各巻の冒頭に掲げられたあの言葉に嘘はない。
「今はもうない、あの蛇行する川のほとりでの少女たちの日々。
誰も知らないある物語を、今、あなただけに。」
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